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7月10日(水)『春日権現験記絵』を読む(1巻の第3段:「竹林殿」の縁起) [お仕事(春日権現験記絵)]

7月10日(水)  晴れ  東京  35.度  湿度55%(15時)
8時、起床。
朝食は、グレープフルーツデニッシュとコーヒー。
髪にあんこを入れて頭頂部で結んでシュシュを巻く。
化粧と身支度。
黒地に水色とピンク色の小花模様のチュニック(2分袖)、黒のレギンス(5分)、黒のサンダル、黒のトートバッグ。
9時50分、家を出る。
今日も暑い(4日続きの猛暑日)。
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↑ 夏空にサルスベリの白い花。
駅前のコンビニで講義資料のコピー。
東急東横線で自由が丘駅に移動。

10時半、自由が丘の産経学園で講義。
4月から始めた『春日権現験記絵(かずがごんげんげんきえ)』(藤原氏の氏神である大和国春日神社の神徳による数々の霊験奇瑞譚を描いた鎌倉時代後期の絵巻物)の解読。
巻1の第3段を読む。
「竹林殿」の縁起譚。
大和国広瀬郡に藤原光弘という人が住んでいた。
彼は右馬允という官職をもつ下級官人である。
ある時、大和川の北(平群郡夜摩郷)に夜な夜な光る場所がある。
不思議に思ってその場を訪ねると、高貴な女性が座っていて「ここは子孫の繁盛する場所である」と告げた。
光弘が「あなたはどなたかですか」と問うと、
「我が宿は 都の南 鹿ぞ住む 御笠の山の 浮雲の宮」と和歌を詠んで消えた。
つまり、この貴女は春日神社第四殿の「比咩神」だったのだ。
第3段の最初の絵は、藤原光弘が「比咩神」に出会う場面。
上方右側の黒灰色の部分は、大和川の水面を表す。
その岸辺に河原があり、竹林がある場所は河原より一段高くなっている。
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竹林に、いわゆる十二単姿の女性がいて、それに光弘が対座している。
貴女がこんな場所で敷物も何もない地面に座っているのはすこぶる怪しい。
あるいは微妙に宙に浮いているのかもしれない。
顔料の剥落がひどいのが残念だ。
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この絵に続いて2つ目の詞書がある。
どうも光弘が貴女に会ったのは現実のことではなく、夢の中のことだったらしい。
彼はこの夢想にしたがって、天暦2年(948)2月25日、村上天皇に奏聞した上で、この地で「土木」(建築工事)を始める。そして、6月16日にこの地に移り住んだ。
それから44年たった一条天皇の正暦三年(992)、この地に住む藤原吉兼の夢に春日明神と名乗る貴女が現れて託宣する。
光弘と吉兼の関係は明記されていないが、文脈からして光弘の子孫(孫?)が吉兼なのだろう。
吉兼はこの地に春日明神を祀る社を建てる。
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2つ目の詞書の後に普請現場の絵が長く続く。
この普請場は、光弘が「竹林殿」を建てる様子なのか、それとも吉兼が「社」を建てる様子なのか?
説が分かれる。
この点の検討は次回に回す。
普請場の情景に続いて(険しい山で隔てられているが)、吉兼が夢中に春日大明神のお告げを得る場面が描かれる。
吉兼の住い(竹林殿)はそれほど大きくない「小屋」である。
家の南側には険しい山があり、そこから谷川が敷地の南と東を画している。
画面左下隅には谷川を渡って家に入るための簡素な板橋が見える。
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西南の竹林の上に貴女が飛来している。
貴女は「我は汝の氏(神)春日大明神なり」と名乗る。
春日神社第四殿の「比咩神」の出現である。
そして、神は竹が多く繁るここが自分の気に入りの場所であること、「竹繁く盛りならば、汝が子孫、繁昌すべし」と告げる。
吉兼はこの場所に社を建てて神を祀り、竹を切ることを禁じた。
大和国平群郡夜摩郷の地は、後に「目安荘」という興福寺の荘園になる。
現在の奈良県生駒郡斑鳩町目安という場所で、今でも大和川の堤に続く丘の上に春日神社が鎮座している。
川の南は広瀬郡で『春日権現験記絵』の説話そのものの地理的状況である。
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「比咩神」は、薄紫の「十二単」の高貴で艶やかな姿で描かれている。
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藤原吉兼夫婦の寝室。
高麗縁の畳敷で、夫婦が同衾している。
吉兼は烏帽子をとっていて、髷が露わになっている。
額に続く前頭部を剃り上げる「月代(さかやき)」をしている点も注目。
平安時代の男性貴族は眠るときも烏帽子を被ったままだった。
鎌倉末期になると、烏帽子を被らない寝姿が現れる。
吉兼は箱枕をして顔を横に向けて寝ている。
夫婦ともに仰向けではなく、うつ伏せに近い寝方をしていることにも注目。
この時代、掛布団というものはなく、夜具をひき被るだけ。
もちろん、敷布団もない、
枕元には刀(枕刀)が立てかけられている。
手前の部屋では侍女が眠っている。
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本来なら不寝番の警護するはずの武装した従者も縁側で眠り込んでいる。
当然、神の出現にはまったく気づいていない。
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黒犬も床下で熟睡。
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12時、終了。
(続く)
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