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2月16日(日) 「Trans People in Asia and the Pacific: HIV and other sexual healthcare issues」-「WPATH 2014 Symposium in Bangkok」参加記(3日目の1) [現代の性(WPATH 2014)]

2月16日(日)  晴れ  バンコク  32.7度
6時15分、起床(Ramada Menam Riverside Hotel)。
シャワーを浴びて髪と身体を洗う。
髪にあんこを入れて頭頂部で結わえて、黄色のシュシュを巻く。
化粧と身支度。
黒地に茶と白の花柄のロングチュニック(3分袖)、黒のレギンス(5分)、黒のサンダル、黒のトートバッグ。

窓からチャオプラヤー川を眺めると、けっこう大きな貨物船が上がってきている。
昨日の推定通り、クルンテープ橋は今でもときどき開くのだろう。
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8時35分、朝食。
掌子さんが朝食パスなので1人。
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↑ ローティーと骨付きチキンカレー、やっぱりインド系。
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↑ このままのんびり川を眺めていたい気分だが・・・、そうもいかない。
9時30分、掌子さんと待ち合せて、タクシーで「WPATH2014 Symposium in Bangkok」の会場のAnantara Bangkok Riverside Resort & Spaに向かおうとしたら、ホテルを出たところで、WPATHのメンバーの白人女性に声を掛けられ同乗。
今日は日曜日のせいなのか、ほとんど渋滞なくスムーズにいき料金は53B。
運転手に60Bを渡し、1人20Bずつ。

10~11時30分の部は、Charoennakorn Roomで開催されているSession 4 「Mini Symposia: How Young is Too Young? Clinical, Ethical and Surgical Management of the Transgender Early Adolescent.」(司会:Milton Diamond, PhD)に出席。
久しぶりにお会いするミルトン・ダイヤモンド博士、お元気ではあるが、やはりお歳を召された感は否めない。
(1)Elizabeth Riley, PhD.「Square pegs in round holes: The diversity of issues and needs for teens and their parents.」
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(2)Richard Horowitz, MD.「Medical Evaluation and Treatment of a Prepubescent Transgendered MTF Child.」
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(3)Christine Milrod, PhD.「How Young is Too Young? Ethical Concerns in Genital Surgery of the Transgender MTF Adolescent.」
(4)Gary Alter, MD.「Surgical Management of the Transgender Early to Mid-Adolescent.」
今回、子供の性別違和の問題は、どのセッションでも分科会が立てられていて、海外でもいろいろな面で大きな議論になっていることがわかる。
(この分野は佐々木掌子さんがずっとフォローしていた)
大筋としては、一定の年齢基準を設けることよりも、個々のケースに応じて弾力的に対処するということのようだが、医療が子供の性別違和に積極的に介入すべきかどうかについては、かなり意見が分かれているように感じた。
ともかく、日本のように、しっかりした議論を重ねることをせず、「早期治療」を望む親と学校の要請に応じて、ガイドラインを変更してしまった姿勢とは、かなり異なる。
問題が、子供のことだからこそ、もっと慎重な議論を重ねるべきだと思う。
それと、医師の報告に対して、トランスジェンダーの当事者、あるいは保護者が、かなり激しい口調で辛辣な反論をぶつけることも、「お医者様のおっしゃること」を尊重する日本のGID学会などとはかなり様子が違う。
医療サービスを受ける当事者が、医師に過剰に依存してしまう日本の在り方は、やはりおかしいと思う。

12時、昼食。
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東さんから、「今夜のGala Dinnerに出ない?」と言われる。
今回の「Gala Dinner」は船上パーティ(Dinner Cruise)なので、船に弱い東さんはパス。
そのことは事前に聞いていたので、私も出席する気はなかった。
ところが、チケットがキャンセルできないとのことで、もったいないので私が譲ってもらうことにした(7000円)。
となると、やっぱり着替えないと・・・。

13時から15時のセッションは、BallroomDで、国連4機関(WHO/UNAIDS/UNDP/UN Women)支援のスペシャセッション・シリーズ(連続シンポジウム)「Trans People in Asia and the Pacific」の第3弾 「Trans People in Asia and the Pacific: HIV and other sexual healtecare issues」(Organizer : Sam Winter, PhD.)。
例によって2部構成で、前半は4人がプレゼンテーション、後半は別の4人によるパネル・ディスカッション。
司会は、Asia-Pacific Transgender Network の Joe Wongさん(Singapore)。

(1)Thitiyanun Akpor(Doy)(Thailand)
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タイのトランスジェンダーのためのセンター「Sisters」の活動報告。
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(2)Lily Taiga(Japan)
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日本の大河りりぃさんの報告。
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2013年にHIV検診を受けた13006人の内、男性同性愛者は1840人で14.1%(その内の6%がセックスワーカー)であるのに対し、トランスジェンダーはわずか23人で0.2%(その内の8人がセックスワーカー)。
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日本のAIDSに対する国家戦略には、トランスジェンダーの居場所がない。
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トランスジェンダー・コミュニティの中の最大勢力であるGIDグループにHIV/AIDSへの認識が乏しい。
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りりぃさんの報告が終わった時、会場から大きな拍手が起こった。
りりぃさんの報告の重点は、現在の日本において、HIV/AIDSがトランスジェンダーの健康に関わる重要な問題であるという認識が、公的機関にも、研究者にも、そしてトランスジェンダーの当事者にも、乏しいということ。
まさに、HIV/AIDS問題の中にトランスジェンダーの居場所がないのだ。
これは報告があった他の国がHIV/AIDS問題をトランスジェンダーの健康に関わる重大な問題として取り組んでいることと、著しい相違である。
日本でもHIV/AIDS問題が現実の危機として浮上してきた1990年代には、トランスジェンダーもその危機は切実に感じていた。
高梨直美さん主宰のT-GAPのように、HIV/AIDSについての啓蒙チラシや感染予防のためのコンドームを、新宿の女装系の店に配布する活動も行われていた。
私がお手伝いしていた新宿歌舞伎町の女装スナック「ジュネ」にも、トイレに小さな籠があり、そこにT-GAPが配ってくるコンドームを入れて、必要な人は自由に取れるようにしていた。
1995~97年頃のことだ。
少なくとも、私の耳目が届いている範囲では、90年代の新宿女装コミュニティの人たちでHIVに感染した人は、いなかった(噂をきいたことがなかった)。
その点、ゲイ業界とはかなり様相が異なる。
私も含めて、ほとんどの人があの危機的な時代をなんとか乗り切り、我が身を守ったということだ。
ところが、その後、トランスジェンダー・コミュニティにおけるHIV/AIDS感染予防運動は急速に衰退していく。
それは、性同一性障害概念が世間に急速に流布していくのと同時期のことだった。
それでも、「TSとTGを支える会」(TNJ)の初期には、まだHIV/AIDS感染予防の意識はあったと思う。
しかし、2000年頃からは、まったく関心が薄れてしまった。
なぜそうなったかと言えば、GIDの人たちはセクシュアリティがない(Sexをしない)ことになっているからだと思う。
Sexをしないのならば、HIV感染の機会はほとんど皆無なわけで、関心がないのは当然ということになる。
しかし、本当にSexしていないのだろうか?
そこらへんのところは、「セクシュアリティがない(Sexをしない)」という建前が強固で、容易に踏み込めない。
まあ、GIDの人たちのことはいい。
私が不安に思うのは、現在の非GIDのトランスジェンダーの人たちが、90年代の新宿女装コミュニティの人たちが抱いていたようなHIV/AIDSに対する危機意識を持ち続けているか、ということだ。
実際、若い世代のトランスジェンダーの口からHIV/AIDSの話をほとんど聞いたことがない(りりぃさんは別)。
その点、かなり懐疑的にならざるを得ない。

(3)Abhina Aher(India)
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インドのHIV/AIDS Allianceの活動報告。
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データ豊富なスライドと、時に演劇的ですらある迫力たっぷりの弁舌で、すばらしいプレゼンテーションだったが、持ち時間を完全にオーバー。
どうもインドの人には制限時間という概念が希薄なようだ。

(4)Magdalena Robinson(Philippines)
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フィリピンのトランスジェンダー団体「COLORS」の活動報告。
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後半は4人によるパネル・ディスカッション。
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右から順に、Angela Ienes(Indonesia)、Cianan Russell(Thailand)、Kate Cordova(Philippines)、Khartini Slamah(Malaysia)の各氏。
離れて、司会のJoe Wongさん(Singapore)。
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↑ 一応、話を聞いているフリをしている。
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会場で。左から、 Natt Kraipetさん(タイ)、東優子さん、アントニ君(メキシコ)、私。
(続く)

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