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なにをいまさら騒いでいるのか「自治体消滅」 [社会分析]

5月9日(金)
なにをいまさら騒いでいるのか、もうずっと以前に予測できたことではないかと思う。
人口動態というのは、いくつかデータがあれば、かなりの確度で将来予測が可能な分野。
早い話、現在50歳の人のかなりが20年後は70歳になることは、コンピューターで予測するまでもなく自明のこと。
現在の日本、大災害でもない限り、死亡率はあまり変化しないから、今生きている人が20年間にどれだけ亡くなるか、つまりいなくな人数は容易に計算・予測できる。
少し厄介なのは生れてくる人の数で、仮に出生率に大きな変化が無くても、社会的移動で出産適齢期(20~39歳)の女性が流出してしまえば、掛け算する元が変動してしまうわけで、推計に大きな幅ができてしまう。
今回のデータは、この部分(出産可能年齢の女性の動態)を予測に組み込んだもので、逆に言えば、今までこの部分を重視してこなかった推計が怠慢だったということ。
「なんで『20~39歳の女性』なの?」「『20~39歳の男性』は関係ないのか?」という疑問をあちこちで見かけるが、出生者数推計の基礎が出産可能年齢の女性なのは、人口動態学の基本。
倫理的問題はともかく1人でいくらでもタネをばら蒔ける男性より、1人が1年に(ほぼ)1人しか子どもを産めない女性の方が人口動態学的にはずっとずっと重要な要素にということ。

その昔、山間僻地の村では、村の娘は外に出さなかった。
他村の男が村の娘に言い寄れば、村の男たちが総出で懲らしめた。
逆に横から若い娘を連れて来て娶れば、文句なしにお手柄だった。
子どもを生める若い娘こそが、人口を維持し、村落共同体を継続する基であることを、よく知っていたからだ。
人口減少に悩むみ「消滅」に怯える自治体は、今後ますます、若い女性の引き止めや招致に必死になるだろう。
しかし、その昔の従順だった村娘たちとは違い、現代の女性は羽がはえているので、魅力のない田舎に籠めておくのは難しいだろう。
逆に、都会生まれの女性で結婚したければ、田舎に行けば引く手数多(あまた)ということになる。
ただし、出産可能な年齢ならだが・・・。

自治体「消滅」という言い方がインパクトが強いのだと思うが、実はすでに消滅している自治体はいくつもある。
たとえば、私の故郷に近い埼玉県大滝村。
埼玉県西部の秩父山地にあり、面積331平方km、埼玉県の約10分の1を占める広い村で、秩父三社のひとつ三峰神社がある。
まったく平地がなく山の斜面に集落が点在し、中には焼畑農耕をやっている集落もあった。
それでも、私が子供の頃(1960年代)には人口5000人くらいはあったと思う。
それが40年後の2002年3月にはわずか1533人になってしまう。
山を下りて、秩父市内に家を立てる人がずいぶんいた。
「今度、あそこに家を建てた〇〇さんは、大滝から下りて来たんだって」みたいな話はずいぶん聞いた。
秩父市内を通り過ぎて、東京などの大都市に出ていった人もいただろう。
こうなるともう自治体としての機能が維持できず、2005年4月に秩父市に合併されて消滅する。
秩父市だって、こんなとんでもなく広い過疎の村など引き取りたくはなかったと思うが仕方がなかった。

子どもの頃、秩父郡市の小学校の合同運動会が開かれると、大滝小学校の連中も山を降りてはるばるやってきた。
人数こそ少なかったが、さすがに日常の鍛錬が違い、走るのが早かったことを覚えている。
その大滝小学校は今年2014年3月で廃校となり141年の長い歴史を閉じた。
生徒数は9名、最後のの新入生は1人だったそうだ。
もうずいぶん前から子どもの数が激減している。
ということは、子どもがいるような若い夫婦が壊滅的に減っているということだ。
大滝中学校も在校生は9名で、2015年3月に廃校になるので、旧大滝村からは小・中学校が無くなる。
大滝小学校は学制発布(1872)の直後の明治6年(1873)の開校だ。
つまり、明治初期に開かれた学校が、平成の今、維持できなくなっているということだ。
こうした社会にいったい誰がしてしまったのか、よくよく考えるべきだと思う。

こうした状況は大滝村だけではなく、日本全国あちこちで起こっていたことで、そうした自治体消滅を「平成大合併」の名のもとにマスメディアが隠蔽してきただけなのだ。
『毎日新聞』が「消滅可能性:全896自治体一覧」という表(↓)を載せているが、すでに消滅してしまった自治体の表はメディアは作らない。
http://mainichi.jp/feature/news/20140509mog00m040001000c.html
--------------------------------------------------------------
消滅可能性:自治体半数 2040年20〜39歳女性半減
消滅可能性自治体1.jpg消滅可能性自治体2.jpg
2040年に20〜39歳女性の減少率が80%を超す自治体

全国1800市区町村(政令市の行政区を含む)の49.8%に当たる896自治体で、子どもを産む人の大多数を占める「20〜39歳の女性人口」が2010年からの30年間で5割以上減ることが8日、有識者団体の推計でわかった。896自治体を「消滅可能性都市」と位置付け、有効な手を打たなければ将来消える可能性があるという。また896自治体のうち、40年の人口が1万人を割る523自治体(全体の29.1%)については「消滅の可能性が高い」とし、より衰退の恐れが大きいとした。
推計をしたのは、産業界や学界の有識者らで国のあり方を議論する「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」(座長・増田寛也元総務相)。同日は高齢者を優遇しがちな社会保障制度を改め、子どもの多い世帯を支援するなどの少子化対策も提言、25年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子ども数に相当、12年1.41)を1.8へ引き上げるとした。
国の推計では、10〜15年、地方から大都市に毎年約6万〜8万人が流出する。国はこの流れが20年には落ち着くと想定し、40年に20〜39歳女性が5割以上減る自治体を373としていたが、同会議は6万〜8万人の流出が将来も続くと仮定し、計算をし直した。その結果、40年に20〜39歳の女性人口が10年の5割以下となるのは896自治体で、国の推計の2.4倍に達した。男性も同様に減る。
同会議によると、出生率の水準が今後も変わらず、人口流出も重なったモデル都市でみると、40年には20〜39歳の女性人口が半減し、70〜80年には2割程度に減る。こうした地域は流出人口が出生数を上回って人が減り続ける。医療・介護保険の維持が難しくなって将来消滅する可能性があるという。
中でも青森、岩手、秋田、山形、島根の5県は「消滅可能性都市」が8割以上。24道県では5割以上を占め、トップの秋田は県内25市町村のうち24市町村が該当する。全国で最も減少率が高かったのは群馬県南牧村(89.9%)。一方、東京23区でも豊島区は唯一消滅の可能性があるという。

『毎日新聞』 2014年05月08日 21時29分(最終更新 05月09日 03時03分)
http://mainichi.jp/select/news/20140509k0000m040089000c.html
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カナッペ

わたしの記憶でも、少子高齢化が訪れると予見していたのは、もう何十年も前。その時点で広く周知して、出生率低下に対応しなかったことで、未来は決定されたいたんだと思います。
by カナッペ (2014-05-09 18:46) 

三橋順子

カナッペさん、いらっしゃいま~せ。
はい、日本の合計特殊出生率が1.5を割りこみ、将来の人口維持が難しい状況になったのがったのが1992年ですから、少なくとも20年前には予想できたことです。
男女が結婚して、女性が家庭に入り専業主婦として子どもを産み育てる形態に固執し続けた自民党の家族政策の明らかな失敗です。
「日本の伝統的な家族形態」(←嘘)を守るために国が滅んだのでは、本末転倒もいいところです。

by 三橋順子 (2014-05-10 01:56) 

ひろ

自分が大学生だった25年以上前、高知県では山間部の集落が次々の消滅していました。
ちょうど、県がその実態を把握するための調査を始めたところでした。
高知も山が県の面積の大半を占めるところで、また面積が広く、更に道が非常に悪いので、行政も実態をまったく把握できていなかったのだと思います。
そういった状況がこの25年で更に進行して、ついに自治体というレベルにおいても消滅という現象が出てきたということでしょう。
人口動態に加えて、山間部から都市部への人の移動と言うのは、世界的な減少で、東南アジアでも、山岳民族は大量に都市部に流入しいるようです。
まあ、住民がいなければ行政を行う必要も無いので、何の問題も無い話ともいえますね。
by ひろ (2014-05-10 02:47) 

三橋順子

ひろさん、いらっしゃいま~せ。
25年以上前というと、1980年代後半ですね。
ちょうどそのくらいから、集落の消滅現象が各地で出てきているはずです。
四国山地もかなり高い所に集落があるようで、祖谷地方を通過したときに、大滝村の奥地の中津川峡谷沿いの集落と似たものを感じました。
地方行政的に言えば、ほんとうに人口0で集落が消滅してしまえば、ある意味、楽なのだと思います。
大変なのは、数100人、数10人レベルで、しかも高齢者だけが山中に残っている状況だと思います。
そういう状況が、今、日本のあちこちで生じているわけです。
by 三橋順子 (2014-05-10 04:04) 

丁子屋

おはようございます
対策として 「コンパクトシティ」が提唱されているような気もするのですが、 「姥捨て街」みたいなかんじがしてどうもしっくりこない。
生まれて育って生きた土地で 人生を全うできない世の中になったんですかねぇ。
by 丁子屋 (2014-05-10 07:16) 

ひろ

先生、レスありがとうございます。
高知県も人が住んでいるのは沿海部だけで、それ以外は人が住まない山が広がっています。
先生もご存知でしょうが高知には四国カルスト台地というのがありまして、石灰岩の採石場が完全に人里とは隔絶した山の中にあります。
そういった場所は、男性だけしかいないのですが、そうなると困るのが、そこで働く人たちの性欲の処理ということになります。
自分はとある採石場で女装させられて、しばらくの間、女として暮らしたことがありますが、その時の、女装することによる周りの人の自分に対する接し方の変化や、人間関係などが非常に興味深かったのを覚えています。
ですので、現在先生が実践なさっていることや、研究されていることはとても興味深く、先生のお仕事からこれからも目が離せません。
by ひろ (2014-05-10 10:58) 

三橋順子

丁子屋さん、いらっしゃいま~せ。
 「コンパクトシティ」というのは、郊外の居住地を都市中心部に集約するという考え方ですね。
なにも政策的にしなくても、東京の状況を見ていると自然にそうなると思います。多摩ニュータウンなんて、すでにゴールトタウン化しつつありますから。
山間・僻地の自治体の「消滅」問題は、包括的な有効な対策はないでしょう。
個別の対策は個々の自治体が「住みたくなる町」をどう演出し実現化するかですが、はっきり言って、もう手遅れです。
なぜなら、魅力ある街づくりのための知恵もエネルギーも人材も、多くの自治体で枯渇しているのが現実だからです。
by 三橋順子 (2014-05-10 14:37) 

三橋順子

ひろさん、いらっしゃいま~せ。
>そういった場所は、男性だけしかいないのですが、そうなると困るのが、そこで働く人たちの性欲の処理ということになります。

実は、私も同じ問題を考えていました。
日本人の若い女性が乏しくなった「田舎」が何をしたかというと、中国・東南アジア女性の導入でした
中国人やフィリピン人の女性を「嫁」にして、性欲処理と子産み(跡継ぎ作り)をさせたわけです。
しかし、それももう限界でしょう。
中国人やフィリピン人の女性にしても、同じ日本で暮らすなら因習に縛られた「田舎」より都会の方が良いに決まってます。

となると、「田舎」はますます若い女性がいなくなり、そういう地域に居住する男性は結婚どころか性欲処理の機会すら乏しくなっていきます。
となると、山間・僻地を巡回する移動性風俗ワゴンみたいなものが出現するかもしれません。
(もしかすると、もう有るのかも)。
戦前期の日本で、どうしてこんな所に・・・と思うような場所に娼館があったことを思えば、可能性は多分にあります。

さらに、若い女性の人材が払底し、希少になれば、女装もしくは女性化した男性が代替するということも有りえるでしょう。

ところで、「とある採石場で女装させられて、しばらくの間、女として暮らした」ご経験、たいへん興味深いです。
よろしかったら、もっと詳しくお話ししてくださると、うれしいです。
ブログのコメント欄で差しさわりがあれば、メールででも・・・。


高知県も人が住んでいるのは沿海部だけで、それ以外は人が住まない山が広がっています。
先生もご存知でしょうが高知には四国カルスト台地というのがありまして、石灰岩の採石場が完全に人里とは隔絶した山の中にあります。

自分はとある採石場で女装させられて、しばらくの間、女として暮らしたことがありますが、その時の、女装することによる周りの人の自分に対する接し方の変化や、人間関係などが非常に興味深かったのを覚えています。
ですので、現在先生が実践なさっていることや、研究されていることはとても興味深く、先生のお仕事からこれからも目が離せません。
by 三橋順子 (2014-05-10 14:52) 

ひろ

先生、自分もまったくの偽名なので、ここでお話して全然問題ありません。
また、自分がいたような採石場も中国産セメントに押されて、今はほとんど消滅してるのではなしでしょうか。
自分は大学に入ってすぐに、全然学校に行かなくなってしまいました。
自分の場合は、ひここもりにはならずに、ぶらぶらしていた所、たまたま知り合った、たちの悪い手配師に騙されて現場に送り込まれた感じです。
自分は現場で作業をするつもりでしたが、行ってみると何か話が違っていて、「これからは、いつもこの格好でいて」みたいな感じで衣服を渡されました。
それは自分の前任者?が使っていたもののようで、衣服といいましても、かつらと、黒のスリップ?と使用感のある黒の下着類だけでした。
季節的にはちょうど今頃だと思うので、それから暫く、そんな下着姿で過ごすことになります。

以下続きます
by ひろ (2014-05-11 00:37) 

マミー

ワー、私もひろさんのお話聞きたい!!

ぜひぜひお願いします。採石場に使用感のある黒の下着て…。


すごいな
by マミー (2014-05-11 07:02) 

ひろ

先生、おじゃまします。
今回は、マミーさんの期待されるような色っぽい話でなくてすいません。
自分がなぜ採石場みたいな過酷な現場で働きたいと思ったかといいますと、自分は高校の2年あたりから左翼思想にかぶれだしまして、大学入学の頃は労働運動に興味を持っていました。
そして、その当時の自分なりのつたない解釈で、今の日本でもっとも搾取されているのは、男性は工事現場の労働者、女性は売春婦、という結論に達しました。
売春婦は経験するといっても無理だと思っていたので、土方は経験して、その搾取の現場を実体験したいと思い、積極的に工事現場で働いていました。
中でも、山奥にある現場は人がなかなか集まらないので、人足を騙して連れて来て、逃げられないように暴力団と手配師とが監視しているような現場がまだ当時はありました。
自分が入ったのもまさにそんな現場でした。

以下続きます
by ひろ (2014-05-11 13:29) 

ひろ

最初現場に入ったときに、そこで働いている人の表情から、ちょっとえらい所に来てしまったなと思いました。
みんな一様に陰鬱で暗い表情をしていました。
現場の監督に引き合わされたときも、自分に対する対応も、威圧的で怖い感じでした。
新人ということで、その現場のヒエラルキーの最下層に属することになった訳で、皆の接し方も、何というか新設とかとはほど遠いものでした。
しかし、そういった周りの態度、自分に対する接し方、閉鎖的な集団内での序列みたいなものが、自分が女装することにより、一気に変わることになります。
by ひろ (2014-05-11 22:28) 

マミー

なんだか『蟹工船』の雰囲気になって来ましたねー。
労働者、閉鎖的、ヒエラルキー‥…
この後の展開ちょっとワクワクするわ〜。どんどん続けてください。
by マミー (2014-05-12 05:34) 

丁子屋

ちょいと 質問

 飯場といえば 飯炊きが付き物なんですが 彼女らはどうしてたんだろ?
 まともな飯場というか町場に近いと 親方の女房娘縁者が賄い掃除洗濯やって そういうことは少ないんだろうと思う。でも 駆け落ち話はよく聞くところ。わけあり女が飯場に逃げ込んで、小遣い稼ぎに穴を貸すなんてのもあったしねぇ。 
 町から離れたタコ部屋なら、飯炊き女で性欲処理させて稼ぎを巻き上げるのもありかなとおもうんですが。。。。

このへんの 話も教えてくださいな
by 丁子屋 (2014-05-12 06:27) 

真樹猫ちゃん

お館方様・・・、秩父市(旧大滝村)の大滝小学校は今年の3月末日で閉校となっておりますにゃ・・・。
http://www.city-chichibu.ed.jp/oes/

>人数こそ少なかったが、さすがに日常の鍛錬が違い、走るのが早かったことを覚えている。

にゃにしろ天正十年の武田崩れの際、甲州金を持った甲賀者が落ち延びて来て住み付き、術を伝えたと古老より聞いておりみゃす。

by 真樹猫ちゃん (2014-05-12 20:15) 

三橋順子

真樹大姉様、いらっしゃいま~せ。
あっ、ほんとだ。本文、過去形に訂正しておりました。
さすがは大姉様、あんな奥地にまで間者猫を放っているとは・・・。

by 三橋順子 (2014-05-12 22:00) 

三橋順子

ひろさん、私の希望を入れていただき、ありがとうございます。
なぜ、ご体験を書いていただきたいとお願いしたかというと、「女性がいない環境における女装行為」というテーマが、私の研究の中にあり、具体的には「戦場における女装行為」については少し資料を集めています。
戦場以外の同様な環境として「山中の飯場」とか「遠洋マグロ船」などがあり、私も「山中の飯場の女役(女装)」については、そうした事実があることだけは聞いていました。ただ、具体的な話ではなかったので、ぜひ、ひろさんの体験談をうかがいたかったのです。
どうぞ、お時間があるときで結構ですから、続きをお願いいたします。
by 三橋順子 (2014-05-13 00:00) 

ひろ

自分が一番言いたかったのは、女装することにより、周りが自分のことを女性として認識するようになったということです。
その時、自分は、長い髪や化粧、女性向けの下着といったものは、一種の記号だと思いました。
そういった♀の記号を自分の身につけることで、周囲が自分を女として扱うようになったということが、自分にとっては非常に衝撃的な体験でした。
生物学的な性と異なる、社会的な性、というものを、文字通り体で痛感(笑)させられました。
by ひろ (2014-05-13 01:01) 

三橋順子

ひろさん、いらっしゃいま~せ。
>長い髪や化粧、女性向けの下着といったものは、一種の記号だと思いましたも
はい、その通りです。それらは「ジェンダー記号」の一種です。
「ジェンダー記号」を操作することにより(操作テクニックが必要ですが)、ジェンダー・イメージは自在に変えられます。
「男らしさ」「女らしさ」の強調も、逆に隠蔽、さらには逆転(ジェンダーの越境)も可能です。
ジェンダー・イメージの構築性・可変性ということです。
そうした「ジェンダー記号」の操作は、本来、自主的に行われるべきものですが、ひろさんの体験のように、外的な作用によってなされる場合もあります。
そして、一度、構築されたジェンダー・イメージは、ジェンダー・アイデンティティ(性自認)に影響を与えていきます。
他者から女として扱われること(女性としての性他認を与えられること)で、性自認は変質していきます。
私は性自認と性他認識の相互作用(フィードバック)と言っています。
つまり、ひろさんの事例は、私が講義で話している理屈を、ほぼ証明しているように思います。
by 三橋順子 (2014-05-13 02:21) 

ひろ

先生、おじゃまします。
自分があの当時、記号という言葉を思いついたのは、ちょうど世間で記号論が流行っていたからだと思います。
先生のコメントを読んで、その時自分が考えていたことが、そんなに間違ってなかったなと思いほっとしているところです。
ところで、今日から出張しますので、今週いっぱいはあまりコメントできないかもしれません。
週末はついでに遊んでこようと思っています。
戻りましたら、また書き足りないところを追加させて下さい。
by ひろ (2014-05-13 08:59) 

あやかをり

遅く且つ本文ではなくコメント欄へのレスで失礼します。

>さらに、若い女性の人材が払底し、希少になれば、女装もしくは女性化した男性が代替するということも有りえるでしょう。

なにか社会がポストモダンwどころかプレモダン化するかの印象を受けました。
中国の清末民国期の租界やら中央アジアの少年男娼の話を思い出しまして、日本とは縁遠い中央アジアですが後者は福島(安正)将軍の紀行にあったかと思います。

ところで7/6の性慾研究会、ほんやら洞で行われているのに驚きました。
昔も研究者の雑談を聞くことは良くありましたが。
by あやかをり (2014-07-10 13:02) 

三橋順子

あやかをりさん、いらっしゃいま~せ。
はい、私、性に関わる事象では、いろいろな面でプレモダン化があり得ると思っています。
たとえば、近代国家を支えた国民男子皆婚の崩壊やその背後で密かに進みつつある?一夫多妻化とか。

中央アジアの少年男娼、ご教示ありがとうございます。
福島(安正)将軍の紀行、調べてみます。

「ほんやら洞」が会場になったのは、あそこの主人(写真家の甲斐さん)と井上章一さんが懇意な関係からです。


by 三橋順子 (2014-07-10 14:02) 

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