So-net無料ブログ作成
検索選択

戸籍性別の再変更訴訟をめぐって [現代の性(性別越境・性別移行)]

5月22日(金)

一昨日報道された戸籍性別の再変更訴訟、「GID特例法」が実施された直後から「いずれは出てくるだろう」と思っていた。
今回の事例は、新聞情報による限り、いわゆる「性別をこじらせた」事例だと思う。
かなり個人的な原因が背景にあるのではないだろうか?
http://mainichi.jp/area/news/20150520ddf041040014000c.html

だとすると、この一事例から制度改正論議につなげるのは筋が良くないと思う。
そもそも、現行のシステムでも、精神科医が性同一性障害かどうか、きちんとした診断をしていれば、こうした性別変更にともなうトラブルはかなり防げるはず。
それを怠って安易に診断書が乱発するから、こういうことが起こる。

たしかに、医師の資質も様々だから、万全のゲートキーパー(門番)機能を期待するのは無理で、穴ができるのは仕方がない。
だけど、一度こうしたシステム(法律)を作った以上、それをできるだけきちんと履行するよう努めるのが筋だと思う。

その一方で、こんなことも考えた。
今回、表面化した戸籍性別の再変更訴訟、思春期までに確立した性自認は不変(不可塑性)という認識をベースに性別移行の病理化・治療システムを構築してきた側からすると、成人の性自認がわずか11年という短期間で変わったという事例は、はなはだ都合が悪い。
だから「医師の誤診」という形に持っていくしかないだろう。

もっと本質的に言うと、「性同一性障害」という精神疾患が内包する詐病性が発現したともいえる。
GIDの主訴である性別違和感は、あくまで当人の主観による主張で客観的な証明を伴わない。
だから医師は性別違和感の訴えを疑うことはできても、否定することはできない。
受診者があくまで性別違和感を訴え続ければ、医師としてはGIDの診断をせざるをえなくなる。

こうしたプロセスで詐病者(性別違和感ではなく何らかの理由でGIDになりたい人)が紛れ込む可能性は十分あるし、完全に防止することは構造的にむずかしい。

実際、ハードなマゾヒストが強制女性化(Foced Faminization)プレイの結果、身体が女性化してしまい,止む無くGIDの診断をもらって、戸籍を女性に変更した事例を、私は知っている。
医師の中にGIDという病の存在を疑う人が一定数いるのは、こうした詐病が内包されていることも大きいと思う。

本当に性別違和感を抱えている人たちからしたら、こうした詐病者の存在は迷惑以外のなにものでもない。
より診断を厳密にすべしという意見も出てくるだろう。

一方、そもそも、そんな詐病性を内包するような怪しげな疾患は、もう止めにしようという意見もある。
少なくとも精神疾患という形にしておく必要はないのではないか。
身体を異性化したい人は、精神疾患かどうかに関係なく、自由に異性化すればいいではないか、という意見だ。

私の考えは、究極的にはその立場だ。
ただ、そこに至るにはもう少し時間が必要だろう。

nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 4

ひろ

私の場合は、昔、面倒を見て頂いていたハードなサディストな方に、去勢したいと要求されたことがあります。
しばらく悩みましたが、人生の後半でどうにもならなくなると思い、止めました。
経済的に支援するとの申し出でしたが、人の心はどうなるか分かりませんし。
あの時受け入れていたら今頃どうなっていたのかなと、時々思います。
by ひろ (2015-05-22 22:44) 

優子

突然すみません。
過去の記事を読ませていただき、その中に「大正~昭和期には吉原には禿はいなかった」とあったのですが何故なのでしょうか?
教えていただけると、有りがたいです。
by 優子 (2015-05-22 22:55) 

三橋順子

ひろさん、いらっしゃいま~せ。
そのパターンです。どう考えても、性別違和感が主ではないせうぃ別移行も世の中にはあります。
それも、GIDということにして、GID特例法が面倒をみているのが現実です。
by 三橋順子 (2015-05-23 00:16) 

三橋順子

優子さん、いらっしゃいま~せ。

大正3年(1914)の新吉原「花魁道中」イベントのことですね。
少なくとも、そのときには禿はいなくて臨時雇いでした。
正確にいつ禿がいなくなったか、まだ調べはついていませんが、明治期のある時点で、学齢期の子供の労働が問題視されたのだと思います。
ただし、京都の島原遊廓ではかなり後まで(昭和戦前期まで?)禿がいたようです。
by 三橋順子 (2015-05-23 00:22) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。