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NHK放送のスペインドラマ「情熱のシーラ」 [テレビ批評]

8月3日(月)
この数年、NHK総合の日曜日23時代の海外歴史ドラマを視聴するのが、ほとんど習慣化している。
もともと歴史ドラマ好きなのだが、最近のNHK「大河ドラマ」の劣化が見るに堪えないこともあり、すっかり海外ドラマに嵌ってしまった。

「イ・サン」(韓国:2011年4月3日~2013年1月13日)
「トンイ」(韓国:2013年1月20日~2014年5月4日)
「ダウントン・アビー1」(イギリス:2014年5月11日~2014年6月22日)
「太陽を抱く月」(韓国:2014年7月13日~2014年11月23日)
「ダウントン・アビー2」(イギリス:2014年11月30日 ~2015年3月1日)
「ダウントン・アビー3」(イギリス:2015年3月8日~2015年5月31日)
「情熱のシーラ」(スペイン:2015年6月7日~)

6月から始まったスペインドラマ「情熱のシーラ」だが、「ダウントン・アビー」第3シリーズの終わり方があまりに過酷だったので、その衝撃の癒し、第4シリーズへのつなぎ、くらいにしか考えてなく、それほどの期待はなかった。
情熱のシーラ.jpg
初回は、1930年代初頭のスペインの首都マドリッドが舞台で、主人公のお針子シーラ・キローガ(アドリアーナ・ウガルテ)の世間知らずで、無分別な恋の成り行きを漫然と見ていた。
しかし、第2回で、主人公が絵に描いたようなろくでなしの男ラミーロと駆け落ちして、地中海を渡る場面で、モロッコの港町タンジールが見えてきたとき、思わず「わ~、きれい!」と声をあげてしまった。
タンジール.jpg
↑ タンジール遠望
逃避行の二人が滞在し享楽的な日々を送るタンジール、そして夫に騙され捨てられ流産までしてボロボロになったシーラがたどり着くテトゥアンの古い町並みやバザールの情景が実に魅力的で、今回もすっかり嵌ってしまった。
ティトゥワン.jpg
↑ テトゥアン旧市街
ティトゥワン2.jpg
↑ テトゥアンのバザール
加えて、第4回以降、シーラが、テトゥアンの下宿屋の女将カンデラリアに助けられてオートクチュール・ブティックを開店して成功すると、幼いころから母に仕込まれ、お針子として天才的な腕前をもつシーラが作り出すドレスの美しさが、ドラマの大きな魅力になる。

リスクを計算できず、かなり無分別で危ない橋を渡ってばかりいた(高級ブティックの開店資金は銃の密売で得た)「地雷女」のシーラも、少しずつ成長していく。

シーラの成長を助けたのは、アパートの隣人の芸術家フェリックスと、そもそもはブティックの顧客で大親友になるイギリス人女性ロザリンダ・フォックス(スペイン保護領モロッコの高等弁務官ファン・ルイス・ベイグベデルの愛人)。
シーラと仲良しなのに手を出そうとしないフェリックスは、ゲイなのではないだろうか?
ロザリンダとシーラの親密な交流には、少しレズビアンの香りも・・・。

2人の影響もあって、シーラはテトゥアンの社交界で注目される存在になっていく。
他人のドレスを作ることにしか意識がなかったシーラが、自分で自分のドレスを着たとき、それまで秘められていた美しさが開花する。
ブテッィクの女将が、お金持ちの顧客夫人たちより美しいというのは、客商売上いささかまずいのではないかと思うが、そこはまあドラマだから。

『情熱のシーラ』の原作は、スペインのベストセラー小説マリーア・ドゥエニャス著『El tiempo entre costuras』で、直訳すると『縫い目の間の時間』。
次週第9回以降は、故郷スペインに戻って、マドリッドでオートクチュール・ブティックを開店するシーラが、いよいよイギリス諜報機関のスパイとして働き始める。
「縫い目の間」の意味もはっきりしてくるだろう。

ただ、渋い中年男の魅力を発散していたテトゥアン警察のバスケス署長、とてもかわいらしい使用人ジャミーラ(かなり美人だと思う)の出番がなくなるのは寂しい。

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異色のスペイン連ドラ「情熱のシーラ」…ストーリー高評価

スリリングなスパイ編、鮮やかな服も見どころ
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↑ 故郷のスペインに戻る方法を模索するシーラは、第2次世界大戦へと向かう時代の中で、スパイ活動に身を投じることになる

NHKは6月から、スペインの連続ドラマ「情熱のシーラ」(総合=日曜後11.00 全17話)の放送を開始した。

日本人には今ひとつなじみの薄いスペイン作品を、なぜNHKが選んだのだろうか。

物語は、スペイン内戦から第2次世界大戦に至る時代、お針子から後にスパイとなり、激動期を懸命に生き抜いたシーラ(アドリアーナ・ウガルテ)を主人公に据えたロマンス・ミステリー。ベストセラー小説が原作で、本国では2013年に放送され、高視聴率を獲得した。

NHKでは、「ダウントン・アビー」や「奇皇后」など米英、韓国を中心に海外作品を放送。その意味では今回は異色作となるが、初めからスペイン作品を狙ったわけではない。昨夏、局内で英国やドイツなど複数の国の海外ドラマを試写する中で、本作のストーリーが高評価を集めたのだ。

「純粋に内容が面白かったから購入を決めた」と同局編成局の坂本朋彦チーフ・ディレクター。スピード感あふれる展開はもちろん、主演女優が、顔立ちも含め、日本で人気になりそうとの読みもあったという。

ドラマの原題は、直訳すると「縫い目のあいだの時間」だが、わかりやすさが肝心と、日本では、主人公の性格をストレートに表現した「情熱のシーラ」となった。

スペインやポルトガル、モロッコなどでロケを敢行。最近の日本のドラマでありがちな細かいカット割りを減らし、異国情緒あふれる建物などを長回しで見せる演出もユニークだ。また、シーラは洋裁技術にたけているとの設定だけに、登場する鮮やかな女性服の数々も見どころ。既に「スペインに行きたくなった」「自分も服を作ってみたい」といった感想がNHKに寄せられているという。

これまでの放送でシーラは、婚約者を捨ててスペインからモロッコに渡るものの、恋に落ちた男の裏切りに遭うなど苦労を重ねてきた。19日の放送からは、経営する衣装店の顧客にナチスドイツ高官の妻らがいたことがきっかけとなって、徐々にシーラがスパイへと転身する姿が描かれていく。

今後のスパイ編では、布に縫いこんだ様々な形の糸でモールス信号を表現するなど、裁縫にまつわる小道具を生かしたスリルあふれるシーンが見せ場になるという。坂本チーフ・ディレクターは「争乱の時代、女性が人生を切り開く姿が描かれるので、目を凝らして見てほしい」と話している。(後略)
(吉田祐也)
『読売新聞』2015年08月03日 05時20分
http://www.yomiuri.co.jp/culture/tv/tnews/20150715-OYT8T50147.html?cx_text=10&from=ytop_os_txt2
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スクルー

姐さんコンバンワ。
多額の受信料を取っておきながら、自前では最早まともなドラマも作れず、安っぽいソープオペラを足元を見られたか法外な高値(キックバック含)で買い付け垂れ流す他ない狗HKには呆れ果てますが、このドラマは意外な評判を取っているようですね。女スパイならマタハリや川島芳子も出して欲しいとこですが、まぁ、高級ブティックと裸踊りにペー中じゃ勝負にならないか(苦笑)。
3400億もする(実際は恐らく5000億)新社屋と高給を血税から掠め取りながら、中共の破壊工作に手を貸してさらに金を貰うサイコパスの集団が、国営放送ですからね。こんなキチガイみたいな国、どんな出鱈目なドラマにだって出てきませんよ。
でも、このドラマだって所詮はスペイン人のやることですからね、ロザリンダが牛に追いかけられて角で突き殺されたり、スパイ活動の報復に、ナチス製のUFO型爆撃機とV2号が住んでる街を猛爆撃して破壊、あたり一面焼け野原になったり、と何がどうなるかなんて分ったものじゃないですよ。
結局、TVドラマなんて、人が死んで泣き喚き、なぜか突然王子サマが現れ、売り出し中の女優と恋に落ち、宇宙人とUFOに乗って、火星の修道院で結婚式を挙げるとか、そんなのばかりですからね。
たまには福永武彦原作とかで 寂代辺りを舞台にした渋いドラマを見たいんですけど、無理ですよねぇ・・・
by スクルー (2015-08-03 20:44) 

三橋順子

スクルーさん
そんなにNHKが嫌いなら、受信料を払わず見なければ済む話でしょう。
私は、NHKに限らず、自分の好きな番組を見るだけです。
by 三橋順子 (2015-08-04 06:17) 

さかえ

NHKの海外ドラマは大好きで子どもの頃からよく見ています。
とくに20年以上前に平日18:30からやっていた子ども向けの海外ドラマは夢中になって見ていました。
海外ドラマの魅力は、本筋以外にその国独特の文化がちらほら見えるところだと思います。幼い私は「此処ではない何処か違う世界があるんだなあ」と実感したものです。いろんな文化を感じることで、性別違和を感じる幼い私が自分らしくいられる大切な時間でした。
私が都留文科大学比較文化学科に入学したのは、幼き日の思いがあったからかもしれません(笑)。
現在、家にはテレビがありません。バイアスのかかったニュースを見ることに苦痛を感じて辞めてしまいました。なので受信料もはらってません。
ドラマはDVDを借りて見ています。
でも、情熱のシーラ見たくなっちゃいました。ドラマってやっぱり毎週楽しみにするのがいいですよね。
知り合いの家にでもお邪魔して見せてもらおうかな。(昭和30年代みたいですね…(笑)。)


by さかえ (2015-08-04 08:42) 

三橋順子

さかえさん、いらっしゃいま~せ。
そうなんです。海外のドラマはストーリーだけでなく、その周囲や背景に映る文化や風景が興味深く、魅力だとおもいます。
行ったことのない国の景色、もう行けない時代の再現イメージは、いろいろな意味で勉強になります。
もちろん、時代考証がちゃんとできているかを考えないといけませんが(韓国時代劇は、その点は眉に唾をつけて見た方がいいです)。
「知り合いの家にでもお邪魔して・・・」って「情熱のシーラ」はの放送は23時からですよ(笑)

by 三橋順子 (2015-08-06 11:26) 

真樹猫ちゃん

1930年代のスペインが舞台にゃのですか。
するとスペイン内戦やら、大戦中の中立国ならでは
の情報戦が展開するわけですにゃ。
マタ・ハリとか色々有名なスパイはいるにょですが、
特務機関の昔を思い出してにゃつかしいでせう。
by 真樹猫ちゃん (2015-08-07 19:59) 

三橋順子

真樹大姉様、さすがは「東洋のマエ・バリ(前貼)」と呼ばれたお方でごじゃりまするなぁ。
by 三橋順子 (2015-08-08 05:26) 

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