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佐々木掌子著『トランスジェンダーの心理学ー多様な性同一性の発達メカニズムと形成ー』 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月28日(火)

佐々木掌子さんから新著『トランスジェンダーの心理学ー多様な性同一性の発達メカニズムと形成ー』(晃洋書房、2017年3月、2500円税別)をいただく。
佐々木掌子『トランスジェンダーの心理学ー多様な性同一性の発達メカニズムと形成ー』.jpg
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【概 要】
性同一性障害傾向をもつことに、遺伝と環境はどのような影響をおよぼすのか。
ホルモン療法、性別適合手術、性役割、性的指向、他者からの受容、パッシング…… これらは、トランスジェンダーの性同一性にどのような影響をあたえるのであろうか。

3300組以上の双生児と545名のトランスジェンダー当事者への調査を通じて、多様で流動的な性別のあり方がどのような発達メカニズムで起こり、どのように形成されていくのかを解明。
また、男性にも女性にも規定されない性別(Xジェンダー)にも注目する。

【目 次】
序 章 「ある性別として生きる」とはどういうことか――新たな性別観呈示のために
はじめに――性別を決定する基準は何か
(1) 多様な性に関する諸概念
(2) 本書の構成

第1章 これまでの性別観はどのようにつくられてきたか――本書の背景
(1) 性別観をめぐる学校教育領域とマス・メディア領域の立場の違い
(2) これまで性同一性は,何によって形成されると考えられてきたのか
(3) 遺伝と環境要因をつなぐ行動遺伝学研究
(4) `病理'としての性的自己の非典型性

第2章 研究I 双生児データによる性同一性障害傾向の発達メカニズム
(1 )小児期から成人期までの性同一性障害傾向の遺伝と環境の影響

第3章 研究II 多様な性同一性の形成
(1) ジェンダー・アイデンティティの測定法
(2) 身体への医学的介入とジェンダー・アイデンティティの関連
(3) 典型的性役割とジェンダー・アイデンティティの関連
(4) 性的指向の諸側面
(5) 他者や社会からの受容とジェンダー・アイデンティティの関連
(6) ストレスコーピング・スタイルとジェンダー・アイデンティティの関連
(7) ジェンダー・アイデンティティと自尊感情の因果の方向性
(8) 規定されないものとしてのジェンダー・アイデンティティ

終章 これからの性別観――総合考察
(1) 多次元モデルからみた性同一性
(2) 多様で流動的な性別のあり方

あとがき
引用文献
付録:ジェンダー・アイデンティティ尺度
索 引
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佐々木さんは、今や、Gender Identity(性同一性)研究の日本における第一人者になりつつある。
これが初の単著だが、引用文献には海外の論文がたくさん並んでいて、まさに圧巻。
日本の心理学研究には数少ない、国際的な研究水準を踏まえている方。

佐々木さんが、まだ慶應義塾大学の大学院生だった頃から「GID研究会」(現:GID学会)などで知っていた。
その後、海外の学会(WPATH2014:バンコク)にもご一緒して、今では(広い意味での)研究仲間であり、大切な年下の友人。
「佐々木さん」というより「掌子さん(時に、掌子ちゃん)」と呼んでいることの方が多い。
だから、今回の出版はとてもうれしい。

と同時に、これまで「性同一性障害の・・・」という論文や報告が多かった佐々木さんの著書が『トランスジェンダーの・・・』であることがとても感慨深い。
「割り当てられた性別で生きていく」トランスジェンダーと、医療概念(診断名)である「性同一性障害」とでは、その示す範囲の広がりがまったく違い、トランスジェンダーを書名にしたことは、当然であり妥当であると思う。
しかし、この本が5年前に出ていたら、はたしてトランスジェンダーが書名になったか?と考えると、やはり時代は確実に変わってきたということだ。

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