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「なんでLGBTって呼ぶの?」 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

5月1日(日)

当事者性のある人も含めて、世の中が「LGBT」という言葉が生まれてきた経緯を知ろうともせずに使っていることを考えれば、内容的にも、時期的にも、とても意義のある良心的な記事だと思う。

ただ、「LGBT」の「T」の説明とか、細かい部分に問題はある。
トランスジェンダーを「心と体の性が一致しない人」とするのは、『朝日新聞』がいつもする説明だが、「心」(ジェンダーアイデンティティ)を基準にするのは「性同一性障害」の定義に影響されたもので間違い。
トランスジェンダーの定義は「心と体」ではなく、「ジェンダーと体」の不一致。

この記事を書いた記者さんへのレクチャー内容は、下記をご覧ください。
(参照)2015年4月4日 「LGBT」という言葉の起源について
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2015-04-04-1

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なんでLGBTって呼ぶの?

「LGBT」っていう言葉、最近よく聞きますよね。「性的少数者の人々を指す言葉」ということは、知っている人が多いかもしれません。でも、「なぜLGBTと呼ぶのか?」は、ご存じですか?今までのように「性的少数者」と呼んではダメなのでしょうか。意外と知られていない、「LGBT」という言葉の歴史をたどります。(朝日新聞東京社会部記者・原田朱美)

まずは基本から。「LGBT」は、四つの言葉の頭文字です。
 L=レズビアン。女性の同性愛者。
 G=ゲイ。男性の同性愛者。
 B=バイセクシュアル。両性愛者。
 T=トランスジェンダー。心と体の性が一致しない人。
 
「LGBT」は、元々は欧米など海外で先に使われていました。国連も「LGBT」という表記を使い、人権保護に取り組んでいます。ここ数年で、日本にも急速に浸透してきました。

「LGBT支援」を掲げる自治体や企業が相次ぎ、電通の「LGBT調査」では、「LGBT層」の商品やサービスの市場規模を5.9兆円と算出しています。

「単に欧米ではやっている」だけ?
日本での「LGBT」の使われ方について、性社会史研究者で、トランスジェンダーでもある三橋順子さんは「単に欧米ではやっている、格好良くて新しい言葉として使っている人は多いんじゃないでしょうか」と疑問を投げかけます。

たとえばデザートをスイーツと呼ぶように、流行語として「LGBT」を使う人もいるかもしれません。でも、三橋さんは「LGBTは使いません。使うなら性的少数者」と言います。「LGBT以外のカテゴリーが漏れてしまう」というのが、その理由です。

「LGBTIQ」に「LGBTs」も
実は性的少数者には、LとGとBとT以外の人たちもいます。
たとえば、
 インターセックス(I)=身体的に男女の区別がつきにくい人。
 アセクシュアル(A)=無性愛者。同性も異性も好きにならない人。
 クエスチョニング(Q)=自分の性別や性的指向に確信がもてない人
 
「LGBT=性的少数者」としてしまうと、こうした人たちが排除されてしまうというのが、「LGBT」の大きな問題点です。

当事者の中には、「LGBT」と名乗ることで、自分たちの内部にさらなるマイノリティーをつくり出すことに抵抗があり、以前のように「性的少数者」や「セクマイ」を使う人たちがいます。

「LGBT」を使う派の中にも、「LGBTIQ」など他のカテゴリーの頭文字も並べたり、「LGBTs」と「s」をつけて「他にもいるよ」という意味を出したり、工夫をする人たちがいます。

「性的」も「少数者」も違和感
「それならいっそ、性的少数者と呼ぶ方がシンプルでいいんじゃない?」と、思ってしまいがちです。でも、当事者の中には、「性的少数者」という言葉が嫌だという人たちもいます。

「『性的』『セクシュアル』っていう言葉で、エッチの話だと思われてしまう。自分たちはどう生きたいかということを訴えているのに、『誰とエッチをするのか』という話にすりかわってしまう」(レズビアンの女性)

「マイノリティー(少数派)とマジョリティー(多数派)という対立構図にしたくない。フラットな関係性でありたい」(ゲイの男性)

他には「『マイノリティー=弱者』だと扱われたくない」「何をもってマイノリティーというのか。性に関する問題は全員に関わる」という声も聞きました。つまり、「性的」と「少数者」の両方に抵抗感があるようです。

検索に引っかからない…
「LGBT」がすっかり広がったいま、他の言葉を使いにくいというケースもあります。性的少数者に関する企業研修などを手がけるLetibee社は、昨年まではホームページに「LGBTs」と書いていましたが、「s」を取ったそうです。

外山雄太取締役は「『s』がつくと、検索サイトで探した時に、うちのページが上の方に出なくなるんですよ。いろんな人がいることを『s』で示してましたけど、検索でうちを見つけてもらえないのは困るので……」と苦笑します。

企業研修の場では、「『LGBT』には4カテゴリー以外の人々も含まれるんですよ」と、必ず言い添えるそうです。

「普段はそれぞれ違うコミュニティー」
外山さんは、自身がゲイであることを公表しています。「LGBTという言葉が一気に広まったのは、やっぱり昨年の渋谷区の同性パートナーシップ条例からですね。当事者たちは、びっくりしてますよ」と語ります。

どういうことでしょう?

「周りを見ていると、多くの人は『自分はゲイだ』とは思っていても、『自分はLGBTだ』とは思っていないと思います。LとGとBとTは、普段はそれぞれ違うコミュニティーで生きてるんですよ。それぞれ直面している課題や問題点が違うので。『私はLGBT』っていうアイデンティティになる場面が少ないから、LGBTという言葉になじんでいない人も多いと思う」

複雑な「LとGとBとT」の仲
実は、LとGとBとTは、必ずしも仲が良かったわけではないんです。そこには歴史の問題があります。例えばレズビアンとゲイの間には、男の方が偉いという「男女格差」がありました。

バイセクシュアルは、同性愛者から「本当は同性愛者なのに、社会の目を気にして両性愛者と言ってるんだろう」といった誤解を受けていました。

そしてトランスジェンダーに対してはかつて、「心と体の性が一致しない」という状態が理解されず、同性愛者からも「『男が好きなら女、女が好きなら男であるべきだ』という異性愛社会の規範に合わせて自分を変えた人」といった偏見の目が向けられていました。

「LGBTって連帯を表してるんだよ」
ではなぜ、海外で「LGBT」という言葉が生まれたのでしょう。「LGBT」が登場したのは、1990年代です。ニューヨーク在住のジャーナリスト・北丸雄二さんに聞きました。

「23年前に僕が米国に来たときには、もうあった言葉だね。最初は『GLB』って言ってたんだよ。当時はLの存在が埋没しがちだったから順番を変えて『LGB』になって、90年代にTが加わって『LGBT』になった」

北丸さんの解説です。「米国も60年代までは『セクシュアルマイノリティー』って呼んでいた。それは『よくわからない性の人々』に対する他者からの呼び名。そこに、まずはゲイ、それからレズビアンが主体的に名乗り始めた」

「その後、両性愛者も本当にいると学問的にちゃんとわかって、バイセクシュアルの地位が認められた。トランスジェンダーもそう。ただの変な個人の問題とせずに、人々の情報を集めて、学問に昇華して、より丁寧に違いを分析して名前を付けていくという作業を米国社会は繰り返してきた。学問に昇華されれば、偏見もなくなる」

「そして、彼らが90年代にエイズ問題を機に『バラバラじゃいけない。一緒に活動しよう』と連帯したからLGBT。LGBTって連帯を表してるんだよ」

「歴史を知らず、ぽんと入ってきたのを使ってる」
つまり、「私たちは何者か?」とさまよい、それぞれが勝ち取った名前がLとGとBとT。そして、その4者の連帯が「LGBT」。4者で性的少数者の多くを占めるため、「性的少数者」と同じような意味でLGBTが使われるようになりました。

ただ、いま米国では、LGBT以外を排除するのはよくないと、4タイプに収まりきれない人、わからない人を指す「クィア(Q)」「クエスチョニング(Q)」を加えた「LGBTQ」という表記が一般的だそうです。さらには、LGBTに代わる言葉も考え出されています。

いまの日本での「LGBT」の使われ方を、北丸さんはどう思うのでしょう。

「黒船みたいだよね。LGBTがなんでLGBTになったのかっていう歴史を知らず、ぽんと入ってきたのを使ってる。もちろん、黒船を利用してLGBTの理解を深めるのもいいと思うけど、黒船がなんなのか、おさらいはした方がいいよね。それは教育の役目だと思う」

『withnews』2016年05月01日
http://withnews.jp/article/f0160501001qq000000000000000G00110101qq000013362A

「紀伊国屋書店・新宿本店」の「LGBTを知る100冊!」フェア。 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

5月1日(日)

「紀伊国屋書店・新宿本店」の「LGBTを知る100冊!」フェア。
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場所は3階レジ正面奥で、スペースは2棚分。
隣の「NEO身体論フェア」の倍。
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メインはこんなところ(右上から2段目)。
やはりBはない。
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売れ筋は、やはり「同性婚」、というか「レズビアン婚」か。
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サムソン高橋さん・熊田プウ助さんの「ホモ・コミック」が左中段でとても目立つ。
「LGBTを知る100冊!」に、これを入れたのは、すばらしい見識だと思う。
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前田健さんの『それでも花は咲いていく』(哀悼)
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左上段の棚。
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左下段の棚と平置き。
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右最上部の棚。
『現代思想』LGBT特集は、もう少し目立つところに置いてほしいな。
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右中段の棚。
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右下段の棚と平置き。
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で、右側平置きの隅っこに、他の本のポップに隠れるようにひっそりと・・・。
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「LGBT」本の中に入れていただいただけで、ありがたいです、うれしいです。

選書の傾向をまとめると、こんな感じ。
(1)学術書から絵本やコミック含めた幅広いジャンルから選書。
(2)数量的には同性愛(LG)関係の書籍が圧倒的。
(3)とくにレズビアン(L)関係の本が目立つ。
(4)それに対してバイセクシュアル(B)関係本はほとんどなく、トランスジェンダー(T)関連も少ない。
近年の「LGBTブーム」の内実がよくわかる選書。
(5)たくさんあるはずの「性同一性障害」関連本をほとんど入れていない。
  (吉永みち子『性同一性障害』だけ)
(6)書名に「クィア」が入っている本がほとんど入っていない。なぜ?

それはともかく、これだけの質と量の「LGBT」本フェアができるということ、1990年代を知る者にはまさに隔世の感。

【追記】
個人的には、伏見憲明さんの本が小説の『百年の憂鬱』(2012年 ポット出版)だけというのが衝撃的だった。
調べてみたら、『プライベート・ゲイ・ライフ』(学陽書房 1991年)は絶版のようだが、『ゲイという経験』(ポット出版 2004年)『欲望問題』(ポット出版 2007年)は購入可能なのだから入れるべきだろう。

それと、森山至貴さんの『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房 2012年)や、新ヶ江章友 さんの『日本の「ゲイ」とエイズ: コミュニティ』(青弓社 2013年)もなかった。
ここらへん、何が「LGBT」なのか?ということに関わってくるのかもしれない。

手薄なT関係では、石井達朗さんの『異装のセクシュアリティ』(新宿書房 2003年)を入れてほしかった。

5月1日(日)清水晶子・井芹真紀子・佐々木裕子「出張クィア理論講座――パレード、可視性、包摂」 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

5月1日(日)  曇り  東京  24.8度  湿度43%

10時、起床。
家に籠ってばかりいるのは、心身に良くないので、出掛ける。

16時45分過ぎ、新宿2丁目の「akta」へ。
清水晶子・井芹真紀子・佐々木裕子「出張クィア理論講座――パレード、可視性、包摂」を聴講。

開会15分前で定員分の席は満杯。
私は後ろに出してもらったストゥールになんとか座れたが、立ち見の人が20人以上いる超満員(全部で100人近く?)。
主催者、完全に読み違え。

内容的には、1980年代から近年までのアメリカのクィア・ムーブメントの流れをわかりやすく解説していただき、とても勉強になった。
現代日本のLGBT運動において学ぶべきところは多いと思う。

しかし、それを承知で言うのだが、アメリカのクィア・ムーブメントの流れを現代日本に接続して解ったような気になってはいけないと思う。
本当に為すべきことは、1980年代以降の日本のクィア・ムーブメントの流れをしっかり記録・記述して、その反省と継承の上に、現代の運動を構築すべきことだと思う。

でも、そういう地道で労多くして功の少ない仕事は、シャイニーなLGBTムーブメントには似合わない。
たぶん、すぐにやろうとする人は出てこないだろう。
こうして、日本のLGB運動の歴史不在が続く。
(Tについては、私の仕事なので)

http://tokyorainbowpride.com/event/1657

4月30日(土)一日、調べながら執筆 [日常(料理・食べ物)]

4月30日(土)  晴れ  東京  21.8度  湿度48%(15時)

11時、起床。
よく眠って、疲れは取れた。

朝食は、カスタードクリーム・デニッシュとコーヒー。

世の人々が浮かれ騒ぎ、シャイニーなLGBTの皆さんが「高い」所(東京都庁展望室)でレセプション・パーティーを楽しんでいるGW2日目、一日中、調べものと執筆。

途中、遅い昼食は、昨夜の竹の子ご飯。

夕食は、沖縄ハムの「てびち」。
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意外に淡白な味で、ちょっと物足りない。
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それと生野菜。
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最後の竹の子ご飯。
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食後、また執筆。
0時、「都電と『連れ込み旅館』」脱稿(4300字ほど)。
Twitterで紹介したら、いくつか反応があって、うれしい。

就寝、3時。