So-net無料ブログ作成

新収集・大正3年、新吉原遊廓「花魁道中」彩色絵葉書、注記無しの3枚の考証 [性社会史研究(遊廓・赤線・街娼)]

8月27日(土)

訳あって昨年から集めている大正3年(1914)の新吉原遊廓の「花魁道中」の絵葉書、少し前に彩色絵葉書を3枚入手した。
彩色が丁寧で鮮やかで、技術的にも状態的にも、なかなか良いレベル(その割には安く落札できた)。
ただし、彩色(色の再現)が信頼できるかというと、それはまた別問題。
とはいえ、この3枚は、あまり不自然な感じはしない。

残念なのは、まったく注記がなく、写っている花魁が何楼の誰だか、このままではわからないこと。
そこで、簡単に考証して、花魁の所属と名前を明らかにしてみたい。

(1枚目)→ 稲本楼・小紫花魁と判明
新吉原花魁道中(稲本楼・小紫)3C(2).jpg
この斜め後姿の写真、記憶がある。
新吉原花魁道中(稲本楼・小紫)2C(2).jpg
森田一朗編『(明治フラッシュバック2)遊廓』(筑摩書房 1998年)に掲載されているNo40の写真。
ん?左右反転。。
どちらかが裏焼きであると思われるが、同じ写真である。
ただ、この画像も注記がなく、誰だかわからない。
禿(かむろ)は稲本楼(が雇った)の子なのだが・・・。

で、さらに探すと、「Old Photo Library」のコレクションにこの画像があった。
新吉原花魁道中(稲本楼・小紫)2.jpg
モノクロだが、私が入手した写真と同じ構図だ。
そして、ありがたいことに「新吉原 稲本楼 小紫」と注記があり、花魁の名前が判明した。

ちなみに、どちらが裏焼き?の件だが、多数決で・・・というのはあんまりなので、少し理屈をつけよう。
一般に右足が効き足の人が多いので、立ち姿では軸になる右足が少し引いて、遊び足の左足を軽く踏み出すポースになることが多い。
そういう傾向を踏まえると、最初の画像が、それに合致する。
ということで、私の所蔵の方が正画像で、『遊廓』所収の方が裏焼きの可能性が高いと思う。

(2枚目)→ 大文字楼・歌川花魁と判明
新吉原花魁道中(大文字楼・歌川後姿)3C(2).jpg
これも後姿、しかも真後ろ。
この禿の装いは、大文字楼のはずだが・・・。
これも「Old Photo Library」のコレクションに、類似のモノクロ画像があった。
新吉原花魁道中(大文字楼・歌川後姿)2.jpg
またもや左右反転だが、同じ画像だと思う。
注記は「新吉原 大文字楼 歌川」で、花魁の名前がわかった。

どちらが裏焼きかという問題だが、立ち姿の花魁は、前で大きく結んだ帯を右手で抱くのが一般的(それにともない、打掛の右裾が少し上がる)。
そう考えると、モノクロ画像の方が自然に見える。

(3枚目)→ 大文字楼・大巻花魁と判明
新吉原花魁道中(大文字楼・大巻)7C(2).jpg
スラリと並んだ花魁道中の一行。
大正3年の復興・花魁道中のメンバー構成がよくわかる絵葉書。

これは簡単で、私の所蔵絵葉書の中に、同じ構図のモノクロ画像がある。
新吉原花魁道中(大文字楼・大巻)7(2).jpg
注記は「新吉原 大文字楼 大巻」で、花魁の名前が判明。

ということで、3枚とも、あまり手間取らず、所属の楼名・花魁名がわかった。
収集が、かなり煮詰まってきた気がする。
もう、まったく未知の写真はそれほどないのではないだろうか?

(参照)
2015年2月11日「大正復興「新吉原遊廓・花魁道中」絵葉書14枚を落札」
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12-2
2015年5月3日「大正3年(1914)新吉原遊廓「花魁道中」絵葉書から」
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2015-05-03-3
2015年6月13日「大正3年、新吉原遊廓「花魁道中」絵葉書2枚」
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2015-06-13-3
2015年10月11日「遺伝学者 R. B. Goldschmidtの自叙伝に大正3年新吉原遊廓「花魁道中」の写真」
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2015-10-12-3
2016年1月18日「新収集・大正3年、新吉原遊廓「花魁道中」絵葉書2枚」
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2016-01-18-2 
2016年2月8日「新収集・大正3年、新吉原遊廓「花魁道中」絵葉書さらに2枚」 
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2016-02-08
2016年5月23日「新収集・大正3年、新吉原遊廓「花魁道中」絵葉書、注記無しの1枚」
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2016-05-23-3