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トランスジェンダーが殺される国、安全な国 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月8日(土)

少し前に「殺害されたトランスジェンダー9年間で2343人以上」という記事をアップした。
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2017-04-01-3
その直後、針間克己先生がより詳しく分析された。
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20170402
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20170403
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20170404
基本データは下記。
http://transrespect.org/wp-content/uploads/2017/03/TvT_TMM_TDoV2017_Tables_EN.pdf3

針間先生の分析の根幹は、トランスジェンダー殺人が多い国は、もともと殺人事件が多い国ではないか?という推測。
そこで各国の殺人件数を推測し、その中のトランスジェンダー被害者の割合を推測している。

それを、smcGO さんがまとめた表&グラフが下記。
TGEUのトランスジェンダー殺害データ.jpg
トランスジェンダー殺人が多い国は、もともと殺人事件が多い国というのは、その通り。
以下、数値を整理して紹介する。

ブラジルは、日本に比べてトランスジェンダーが殺される率が570倍。
ベネズエラは450倍、コロンビアは300倍、メキシコは288倍。
こういう国には絶対に住みたくない。

アメリカは63倍。
南米諸国よりはマシだが、やはりひどい状況。

アジアでは、フィリピンが54倍、タイが30倍、パキスタンが26倍。
南米諸国よりだいたい10分の1の危険度。

ヨーロッパは、トルコの71倍と、イタリアの68倍が高い。
ヨーロッパなのか?アジアではないのか?と思うトルコはともかく、EUの主要メンバーでありG7にも入っている先進国イタリアがこれほど危険なのはなぜなのか?
野蛮なアメリカとほぼ同じではないか。
EU&G7仲間のイギリスが16倍、フランスが10倍、ドイツが3倍であるのと大きな差がある。
カトリックの総本山があることとなにか関係するのだろうか?

その他、比較的安全な国をあげると、オランダ、カナダ、オーストラリアなど。
それでも、だいたい日本の10~18倍。
インドは件数では62件と多いが、人口が巨大なので率は低く、日本の6倍ほど。
ちゃんと把握されていればの話だが。
お隣の韓国は日本の2.5倍の危険度。

さらに問題なのは、トランスジェンダーが殺される率が一般の人が殺される率より、高い国があること。
折れ線グラフで、赤い線が上に来ているブラジル、メキシコ、イタリアなど。
トルコ、アメリカもその傾向がある(シンガポールはそもそも殺人が少ないので除外)。

これらの国では、トランスジェンダーは一般人より殺される率が高い。
なぜそうなるか?理由が重要なのだが、残念ながらはっきりしない。
しかし、おそらく、トランスジェンダーのセックスワーカー(とりわけ路上に立つ街娼)の多さと関係しているのではないだろうか。
言い方を換えれば、殺される危険性が高い職業との重なりがあるのでは、ということ。

とにもかくにも、日本はトランスジェンダーが殺される率が世界の主要国の中でいちばん低い、最も安全な国であることは間違いない。

私は以前から、トランスジェンダーが命の危険をほとんど感じずに済む、安全な社会がなにより重要であることを指摘してきた。
法制や政策、人権意識の面での不十分さは確かにあるが、それをもって、日本がトランスジェンダーにとって駄目な国という主張には、私は与しない。