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性同一性障害、精神疾患から除外 WHOが分類見直し [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月20日(水)

AFPの記事。
WHO生殖保健・研究部の調整官の「こうした個人の社会的受容に向け、汚名を減らすことができる」「精神疾患から外されたことで医療を受けやすくなる可能性もある」という発言に注目。

日本の(一部の)性同一性障害者が(脱精神疾患化して性同一性障害という病名がなくなると)「医療が受けにくくなる」「社会的に受け入れらえなくなる」と主張しているのと、WHOはまったく逆のことを考えていることがよくわかる。

どちらがまともな認識かは言うまでもない。
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性同一性障害、精神疾患から除外 WHOが分類見直し

【AFP=時事】世界保健機関(WHO)は、18日に発表した最新の疾病分類で、心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)を精神疾患から外すべきとの判断を示した。

WHOは、病気やけが、死因など5万5000項目をまとめた「国際疾病分類(ICD)」の最新版の中で、性同一性障害を示す「性別不合(gender incongruence)」を、「精神・行動・神経発達障害」ではなく「性の健康に関連する状態」に分類。性別不合の定義を「個人の経験する性(ジェンダー)と、指定された性(セックス)の間での、顕著かつ持続的な不一致」としている。

WHO生殖保健・研究部のラレ・サイ(Lale Say)調整官は19日、AFPに対し、分類の見直しによって「こうした個人の社会的受容に向け、汚名を減らすことができる」と指摘。疾病分類は医師や保険会社によるサービス提供範囲の判断に使われているため、精神疾患から外されたことで医療を受けやすくなる可能性もあると述べた。

分類は、国連(UN)加盟国が来年5月にスイス・ジュネーブで開く世界保健総会(World Health Assembly)で採択されれば、2022年1月1日から効力を発する。性同一性障害については、フランスやデンマークなど複数の国がすでに分類を見直し、精神疾患から外している。

【翻訳編集】 AFPBB News 2018年6月20日(水) 5:28配信
http://www.afpbb.com/articles/-/3179182



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ICD-11の改訂、性別問題に関するポイント [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月20日(水)

今回のICD-11の改訂、性別問題に関するポイント。

① ICD-10(1990年)で、精神疾患の中のグループ名として位置づけられていた「gender identity disorder(性同一性障害)」がグループ名としても、疾患名としても完全に消滅した。

② 性別問題については、新設された第17章「Conditions related to sexual health (性の健康に関連する状態)」に「gender incongruence(性別不合)」が設けられた。

③ 第17章は、第1~16章のdisorder(疾病)とdisorderではない第18章妊娠・出産との間の位置づけで、ICD-10では性別問題が精神疾患と位置づけられていたのに比べて、扱いが大幅に「軽く」なった。

④ 「gender identity disorder(性同一性障害)」と「gender incongruence(性別不合)」は、リスト(疾患分類)上の位置づけが大きく異なるだけでなく、診断基準も変更されているので、単純な病名変更(置き換え)ではない。

⑤「gender incongruence(性別不合)」は、「その人が体験するジェンダー(experienced gender )と指定された性別(assigned sex)の間の著しく、持続的な不一致により特徴づけられ、以下のうちの2つ以上が徴候として認められるもの」として定義された。

⑥ 診断基準は最初の3つで、primary or secondary sex characteristics(第一次及び第二次性徴)が重視されている。
身体的性徴への強い違和、解放願望、獲得欲求(の内の2つ)がないと診断されない。
望みのジェンダーで扱われたい(生活したい)という欲求だけでは、診断基準を満たさない。

⑦ 今回の大改訂は、前回の改訂(1990年)で同性愛の脱病理化が達成された流れを受けたもので、19世紀後半以来、病理(精神疾患)とされてきた様々な非典型な性の在り様が、病理から脱却していく大きなパラダイム転換の最終段階ととらえるべき。


WHO(世界保健機関)など国連の諸機関には「ジェンダーの多様性は病気ではなく個人の状態」という認識がすでに強くある。

個人の性別をどうするかは、その人が決めればいいこと(選択自己・自己決定)で、WHOのような機関が基準を定める必要はなく、むしろ、個人の性別のに医療的な診断や法律が介入するのは、自由な自己決定を妨げるという意味で、むしろ人権侵害という考え方だ。

その基本認識は、すでに10年以上前に「ジョグジャカルタ原則」(2007年3月26日、国際連合人権理事会で承認)や、2014年5月30日のWHOなど国連5機関の「法的な性別の変更に手術を要件とすることは身体の完全性・自己決定の自由・人間の尊厳に反する人権侵害とする共同声明」で示されている。

今回の改訂(ICD-11)でも、そうした認識がベースになっている。
ただ、性別の問題で医学的診断を必要とする人も(まだ)いるという現状に配慮して「疾患」ではなく「condition(状態)」として残したのだと思う。
つまり、今回の改訂は、性別問題の完全な脱病理化までの過渡的措置と考えるべきだろう。


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ICD-11の HA60 Gender incongruence of adolescence or adulthood の定義と診断基準 [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月20日(水)
ICD-11の HA60 Gender incongruence of adolescence or adulthood の定義と診断基準

HA60 Gender incongruence of adolescence or adulthood(HA60 青年期および成人期の性別不合)は次のように定義される。

characterized by a marked and persistent incongruence between an individual´s experienced gender and the assigned sex, as manifested by at least two of the following: (その人が体験するジェンダーと指定された性別の間の著しく、持続的な不一致により特徴づけられ、以下のうちの2つ以上が徴候として認められる)

診断基準は以下の通り。
(1)~(3)の内、2つを満たす必要がある

1)a strong dislike or discomfort with the one’s primary or secondary sex characteristics (in adolescents, anticipated secondary sex characteristics) due to their incongruity with the experienced gender;(体験するジェンダーとの不一致により、その人の第一次及び第二次性徴〈青年期においては予想される第二次性徴〉への強い嫌悪または不快感)。

2)a strong desire to be rid of some or all of one’s primary and/or secondary sex characteristics (in adolescents, anticipated secondary sex characteristics) due to their incongruity with the experienced gender(体験するジェンダーとの不一致により、その人の第一次及び第二次性徴〈青年期においては予想される第二次性徴〉の一部またはすべてから解放されたいという強い欲求)。

3)a strong desire to have the primary and/or secondary sex characteristics of the experienced gender(体験するジェンダーの第一次及び第二次性徴〈青年期においては予想される第二次性徴〉を獲得したいという強い欲求)。

The individual experiences a strong desire to be treated (to live and be accepted) as a person of the experienced gender(その人は、体験するジェンダーの人間として扱われたい〈生活し受け入れられる〉という強い欲求を体験する)。

The experienced gender incongruence must have been continuously present for at least several months(体験するジェンダーの不一致は、少なくとも数か月は持続しなければならない)。

The diagnosis cannot be assigned prior the onset of puberty(思春期の開始以前には診断することはできない)。

Gender variant behaviour and preferences alone are not a basis for assigning the diagnosis(ジェンダーに非典型な行動や嗜好だけでは、診断をする基盤とはならない)。

診断基準は、primary or secondary sex characteristics(第一次及び第二次性徴)を重視している。
つまり、身体的性徴への強い違和、解放願望、獲得欲求(の内の2つ)がないと診断されない。

望みのジェンダーで扱われたい(生活したい)という欲求だけでは、診断基準を満たさない。

日本語訳は、針間克己先生の試訳を参照(というか、ほとんどそのまま)。
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20180618

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「Conditions」を「病態」と訳すのは意図的誤訳 [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月20日(水)

注目は、厚生労働省が「Conditions related to sexual health (性の健康に関連する状態)」を「性保健健康関連の病態」と訳している点。
「病態」は、保険適用の継続を考えてた意図的な誤訳だと思う。
ICD-11での「Conditions related to sexual health」の位置づけは、「疾病」と「疾患ではない(例えば妊娠・出産)」の中間的な所なので、「状態」と直訳するか、せいぜい「異状」くらいで、「病」という字は使うべきではない。

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性同一性障害 精神疾患対象外 WHO
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WHOの「国際疾病分類」の最新版では、性同一性障害が「精神疾患」から外れ、「性保健健康関連の病態」という分類に入った。名称も変更され、厚生労働省は「性別不合」との仮訳を示した。同省は3年ほどかけて正式な和訳を検討する。

性同一性障害が精神疾患の分類から外れたことについて長崎大の中根秀之教授(社会精神医学)は「国際的な脱病理化の動きが反映され、病気というより状態として捉えようという感覚だろう」と指摘。日本では、性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには法律上、性別適合手術が必要だが、「手術を要件とすべきか今後議論が高まるのでは」と話す。

厚労省の担当者は、「将来的な影響はあるかもしれないが、保険制度や治療方法の変更などへすぐにつながるものではない」としている。【藤沢美由紀】
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『毎日新聞』2018年6月20日 東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20180620/ddm/012/040/041000c
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世界保健機関(WHO)が改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案を公表 [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月19日(火)

世界保健機関(WHO)が18日、改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案公表した。

ゲーム依存が精神疾患となった。
一方、性同一性障害は精神疾患から外れ、「性別不合」という名称になる。

正式決定は、1年後になった(再々延期)が、世界のトランスジェンダーが長年待ち望んでいた、性別移行を望むことの脱精神疾患化がついに実現した。
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長年「性別を超えて生きることは病ではない」と主張してきた者として、WHOが「精神疾患ではない」(脱精神疾患化)と認定したことは大きな前進。
とてもうれしい。

ただ、日本には精神疾患を実質的に維持しようとする動きもあり、今後、性別移行の脱精神疾患化を着実に現実のものにしていくことが課題になる。

今回の改訂では、残念ながら、世界のトランスジェンダーの多くが望んでいる性別移行の脱病理化は達成できなかった。
それは次の改訂(ICD-12、10~20年後?)に先送りになった。
もう私は生きていないだろうから、その成否は次の世代に委ねる。
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ゲーム依存は精神疾患 WHO認定、 性同一性障害は除外

スマートフォンなどのゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたすゲーム依存症が「ゲーム障害」として国際的に疾患として認められた。世界保健機関(WHO)が18日、公表した、改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案に明記された。来年5月のWHO総会で正式決定される。

ICDは日本をはじめ多くの国が死因や患者の統計、医療保険の支払いなどに使う病気やけがの分類。

厚生労働省の調査では、成人約421万人、中高生約52万人がゲームなどのネット依存の恐れがあると推計されているが、政府は依存を防いだり依存傾向のある人を早期発見したりするための対策をほとんどとっていない。ゲーム障害が国際的に疾患として認められたことで、予防対策や適切な治療を求める声が強まるとみられる。

ゲーム障害は、依存性のある行動で日常生活に障害をきたす精神疾患の一種とされた。日常生活に支障が出てもゲームを優先する状態が12カ月以上みられる場合で、症状が重い場合はより短期で診断できるとした。ただし、飲酒同様、ゲームをする行為自体が問題とされたわけではない。

国内で初めて専門外来を開いた、国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長は「公式な疾患になることで、ゲーム障害は本人の意志が弱いからではなく、治療が必要な病気だと理解してもらえるようになって欲しい」と話す。

日本企業も加盟する米国のゲーム業界団体など20カ国以上のゲーム業界団体がゲームに依存性はないと反対している。WHO担当者は「科学的な根拠に基づき疾患に加えた。各国は予防や治療態勢の計画を立てるべきだ」と反論する。

さらに改訂版には、漢方医学など古代中国に起源をもつ日本、中国、韓国独自の医学が初めて「伝統医学」として加わった。「気虚」といった患者の状態を表す用語が、漢方の診断「証」として列挙された。

慶応大の渡辺賢治教授(漢方医学)は「東洋医学が民間療法ではなく、医療の一つとして国際的に認知された意味は大きい。診断や鍼灸(しんきゅう)や漢方薬などの効果の科学的な研究が進むだろう」と話す。

また、性同一性障害(GID)は「性別不合」という名称になり、精神疾患から外れた。ジェンダーの多様性は病気ではなく、個人の状態だという考え方を反映した。「国内でも今後、学会の名称も含めて呼称について議論したい」とGID学会理事長の中塚幹也岡山大教授は言う。(大岩ゆり)
『朝日新聞』2018年6月19日
https://digital.asahi.com/articles/ASL6K741TL6KULBJ009.html?_requesturl=articles%2FASL6K741TL6KULBJ009.html&rm=676
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トランスジェンダーの説明で「心と体の性が一致しない」というのは違う! [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月9日(土)

私、トランスジェンダーの説明で「心と体の性が一致しない」というのは違う!と言っているのに、どうしてこういう記事になるのか。

自分の説明と違う定義を一方的にされる苦痛を『毎日新聞』は考えたことがあるのか?
講演の内容の要約紹介も、ピントがずれているし、困ったものだ。

トランスジェンダーの説明問題では『毎日新聞』の別の記者とも話し合ったが 社の見解とかで埒があかなかった。
こういうことが続くなら、『毎日新聞』については、取材協力を考え直さないといけない。

私が、トランスジェンダーを「心と体の性が一致しない」と説明するのは「違う!」と言っているのは、個人の見解ではなく学術的・国際的な定義を踏まえてのこと。

トランスジェンダーの説明は、国際的な定義に則せば、「出生時に割り当てられた性別(assigned sex)と異なる性別表現(gender expression)で生きている人」が妥当だと思う。
ジェンダーを越境(Transgender)する理由は問わない。

あるいは、「ジェンダーをトランス(越境)している実態があり、かつトランスジェンダーだと自認している人」という説明もできる。

ジェンダーを越境する理由を問いたがる人は、ゲイやレズビアンがなぜ同性を好きになるのかを問うのだろうか?
なぜ、トランスジェンダだけが理由を問われるのか。おかしいと思わないのだろう

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筑波大  LGBT対応学ぶ研修会 学生など80人参加 「望む性、尊重すべきだ」 /茨城 .

筑波大は6日、性的少数者(LGBTなど)への対応を学ぶ研修会を開いた。同大の教職員や学生ら約80人が参加し、当事者が差別を受けずに安心して学べる環境について話し合った。

明治大文学部非常勤講師で、自らも心と体の性が一致しないトランスジェンダーの三橋順子さん(63)が講演。三橋さんは「ジェンダーは個人の自由。性的少数者の人数に関係なく差別してはいけない。望む性別で扱われるよう尊重すべきだ」と呼びかけた。

また、当事者に同意のない暴露を「ハラスメント(嫌がらせ)」と明記した同大の対応指針について、三橋さんは「筑波大の指針が全国で標準化され、性的少数者が修学を継続できる形を作っていってほしい」と高く評価した。そのうえで「LGBTという四つのカテゴリーから漏れる当事者もいる。大学は学生などから丁寧に聞き取り、柔軟に対応してほしい」と要望した。

東京都から来た団体職員の男性(56)は「多様性を理解しようとせず、決めつけてしまうのがいけないことだと改めて感じた」と話した。【加藤栄】
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『毎日新聞』2018年6月8日 地方版
https://mainichi.jp/articles/20180608/ddl/k08/100/236000c



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ドキュメンタリー映画「性別が、ない!インターセックス漫画家のクィアな日々」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月7日(木)

奥渋谷「アップリンク」でドキュメンタリー映画「性別が、ない!インターセックス漫画家のクィアな日々」(渡辺正悟監督、2018年)の試写を観る。
ドキュメンタリー映画「性別が、ない!インターセックス漫画家のクィアな日々」.jpg
https://seibetsu-movie.com/

冒頭とラストの空撮シーン、自主制作映画でもドローンを使って空撮ができる時代になったのだと感動。
桜の下のお昼寝シーン、海のシーンなど、映像がとてもきれい。

香港のインターセックス活動家「細細老師」(漢方医)、どことなく魔女っぽく怪しくてgood。

タイのSaopraphetson(第二の女性)の中学校教師トンター先生、容姿抜群な上に、コメントの切れも抜群でvery good。

主人公(エッセイ漫画家の新井祥さん)の自宅シーンで何度も黒いニャンコが登場していたのに、ラストシーンはなぜかワンコ。
猫派としては不満。

感想、これだけじゃ駄目?(←駄目にゃ)
仕方ない、ちゃんと書こう。

当然のことながら、映画のメインテーマは、主人公でインターセックスの新井祥さん(エッセイ漫画家)の生き方。

「男でもなく女でもない何か」として生き、同じような人たちの手本、羅針盤、灯台になる、一生闘い続け、その姿を見てもらう、という新井さんの自負は強烈。

「そこまで突っ張るか?」と思ってしまう強い主張をどう受け止めるかで、この映画への印象はだいぶ違ったものになるだろう。

正直に言うと、私のような軟弱な精神の者には、新井さんの主張の強さが、いささか疲れた。
漫画でなら受け止められるが、映像だと・・・。
まあ、それくらいでなければ表現者はやれないのだろうが。

もうひとつのテーマは、同居人であり公私ともパートナーである「こう君」との関係性。
ゲイの美青年である「こう君」、見かけは今時の若者によくあるふんわり感に富んでいるが、実は芯が強く、むしろ年上の新井さんよりブレがない。
私の好感度は高かった。

映画の構成的に言うと、半ば過ぎに入る性同一性障害(FtM)の「倉持君」の話は、「性別が、ない!」というこの映画のテーマにはそぐわないし、必要ないと思う。
インターセックスと性同一性障害の混乱を助長しかねない。

あと、細かい点だが、「Xジェンダー」を英語で「third gender」と解説しているのは誤りだと思う。
「Xジェンダー」を英語で表現するなら「gender Queer」だろう。 



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sex reassignment surgery と sterilization surgeries [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月3日(日)

「sex reassignment surgery」を日本語に直訳すれば「性別再指定手術」。
実際、1990年代後半にはその訳語が使われていた。
それがなぜ「性別適合手術」という誤訳に近い(reassignmentのどこにも「適合させる」という意味はない)訳語になったかと言えば、「gender identityが絶対的に正しくて性器の形をそれに適合させる手術」という性同一性障害者の主張を受け入れた(私的に言えば、おもねった)「政治的な思惑」(針間克己先生談)があったから。

一方、欧米の人権思想・国際人権法の文脈では、日本で言う「性別適合手術」も「sterilization surgeries」(断種手術・不妊手術)のひとつになる。
まして「性別適合手術」が性別変更の要件になっている場合は「involuntary」(非自発的な→暗黙の強制に近いニュアンス)と見なされる。

そこらへんの彼我の感覚差、とてつもなく大きい。
私ですら、時に戸惑うくらいに。
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自分から「報告させてくれ」と言ったわけではない [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月3日(日)

例によって誤解があるようだけど、私が「日本学術会議 法学委員会 LGBTI分科会」で報告した(5月31日)のは、先方から「ぜひお話をうかがいたい」と依頼されたからであって、自分から進んで「報告させてくれ」と言ったわけではない。

依頼された以上、研究者として、自分の見解を誠実に述べるのは当たり前のこと。

私にその「資格がない」「不適任だ」と言うのなら、それは「日本学術会議」に抗議してください。

繰り返しになるが「日本学術会議」は日本の国立アカデミーであると同時に内閣総理大臣直属の(所管は内閣府)政策提言機関。

「GID特例法」の改正については、「法学委員会 社会と教育におけるLGBTIの権利保障分科会」(委員長:三成美保奈良女子大学副学長)がまとめた提言「LGBTIの包括的権利保障をめざして」(2017年9月)の中で、すでに「欧米諸国の動向に照らし、『特例法』の名称変更と要件緩和を行うこと」と明記されている。

私はその基本ラインに沿う形で、基本理念は国際的な人権理念である「ジョグジャカルタ原則」に準拠し、WHOほか国連諸機関の共同声明(2014年5月)とWHOのICD(国際疾病分類)の大改訂(2018年5月)を踏まえた新たな「性別移行法」の制定の必要性と、法案作成に際しての具体的なポイントを述べた。

最も言いたかったのは、国際人権法の順守、そしてなにより性別移行を望む人たちの人権擁護を最優先にすべきということ。



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新・国際疾病分類「ICD-11」の 新病名案 [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月1日(火)

日本精神神経学会が、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類第11版(International Classification of Diseases 11th Revision: ICD-11)の新病名についてパブリックコメントを募集中。

https://qplusapac.au1.qualtrics.com/jfe/form/SV_74HOhjN5XEkVxTn

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「ICD-11」 新病名案

18 Conditions related to sexual health (性の健康に関連する状態)
 18.1 Gender incongruence(性別不合)
  18.1.1 Gender incongruence of adolescence or adulthood
     (青年期および成人期の性別不合)
  18.1.2 Gender incongruence of childhood
     (小児期の性別不合)
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今まで、いろいろ検討してきた通りの新病名案なので、ほぼ「性別不合」で決まりでしょう。

細かいこと言うと「Conditions related to sexual health (性の健康に関連する状態)」なので、「病名」と言っていいのか微妙。
厳密に言えば「状態名」だと思うが、今度は日本語として微妙・・・。

なお、18章には、下記が「お仲間」として並びます。
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 18.2 Sexual dysfunctions(性機能不全群)
  18.2.1 Sexual arousal dysfunctions(性的興奮不全群)
  18.2.2 Orgasmic dysfunctions(オルガスム不全群)
  18.2.3 Hypoactive sexual desire dysfunction(性欲低下症)
 18.3 Sexual pain disorders(性疼痛症群)
  18.3.1 Sexual pain penetration disorder(性疼痛・挿入困難症)
  18.3.2 Dyspareunia(性交疼痛)
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