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「性同一性障害?トランスジェンダー? 〜みんなで語ろう 過去・現在・未来〜」(5月5日)) [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月25日(火)

東京レインボー・プライド・ウィーク2017」のイベントのご案内です。
ちょっとだけ、しゃべります。
お出かけいただけると、うれしいです。
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性同一性障害?トランスジェンダー?~みんなで語ろう、過去・現在・未来~.jpg
「性同一性障害?トランスジェンダー? 〜みんなで語ろう 過去・現在・未来〜」

【企画主旨】「おなべ」や「おねぇ」、「ニューハーフ」という言葉から性同一性障害特例法や脱病理化といったキーワードと共に、現在、国内外でトランスジェンダーに注目が集まっています。
今回は世代の異なる多様な活動家の方々をゲストにお招きし、それぞれの立場からトランスジェンダーと性同一性障害の過去から現在、そして未来に向け、トークを繰り広げます。
決して何かを結論づけるものではなく、一人ひとりが考えるきっかけとなれば幸いです。
今回は豪華ゲストが勢揃いの必見です!是非気軽にご参加ください!

【日時】5月5日(金) 17時~20時 (16時半~受付開始)
【参加費】事前予約2000円 当日2500円
【場所】ハロー会議室西新宿駅前RoomA
  〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-11-1 日東星野ビル3階
  http://www.hello-mr.net/detail/?obj=131

● 出演者:土肥いつき/虎井まさ衛/西原さつき/野宮亜紀/畑野とまと/細田智也/松永千秋/三橋順子/薬師実芳/山本蘭/(あいうえお順)
浅沼智也/平尾春華/杉山文野(司会)

お申し込みはこちらから!
http://tokyorainbowpride.com/rw2017events/17hostedbytrp/3186

「GID(性同一性障害)学会第20回研究大会・総会」の会長挨拶 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月18日(火)

来年3月24・25日に開催される「GID(性同一性障害)学会第20回研究大会・総会」の会長(針間克己・はりまメンタルクリニック医院長)挨拶が早くもアップされました。
http://gid20.kenkyuukai.jp/special/?id=23898id=23898
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20170414

開催の理念、私はほぼ全面的に賛成です。
単に20回というだけでなく、性別移行が精神疾患の軛(くびき)から脱する年の記念すべき研究大会になると思います。
20回GID学会.jpg


4月14日(金)パキスタンにヒジュラの調査に行く文化人類学徒7会う [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月14日(金) 晴れ  東京  21.5度  湿度43度

11時、起床。

2月に執筆して送信した、服藤早苗・新實五穂編『歴史の中の異性装(仮題)』(勉誠出版)に掲載予定の論文「女装秘密結社『富貴クラブ』について」の初校ゲラ、若干の加筆をして完了。

夕方、出かけるときにポストに投函。
なんとか間に合うかな。

17時、家を出て、新宿へ。
紀伊国屋書店前で待ち合わせて、アルタ裏の「三平食堂」へ。
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ヒジュラを撮って35年の写真家、石川武志さんにお会いして、ある方を紹介してもらう。
ヒジュラとはインド文化圏において「両性具有」と主張する人々、実態は去勢して女装した元男性がほとんど。

中国から国費で京都大学の人文研に留学している文化人類学徒、劉高力(リュウ カオリ)さん。
笑顔がとてもチャーミングな女性。
北京大学出身で、英語はもちろん、日本語も堪能、さらにパキスタンの公用語のウルドゥー語もしゃべれる。

5月から1年間の予定でパキスタンにヒジュラの調査に行くとのこと(イスラム圏であるパキスタンにもヒジュラはいる)。
すでに、予備調査でヒジュラの家に同居してきたとのこと。
世の中にはすごい人がいるものだ。

彼女の指導教官(田中雅一教授)には、私も何度かお会いしてお話をうかがったことがある。
共通の友人もいて、猫の話をきく。

無事に調査を終えて日本に戻ってきたら、ぜひじっくり調査の成果を聞きたいと思った。

話足りないので、靖国通りを渡って・・・、
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写真家が集まる「花園一番街」の「こどじ」へ。
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23時、お開き。
新宿通りに立待の月(月齢17)が上っていた。
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新宿の街は、すごい賑わいだった。
4月の半ばの金曜日で、新人歓迎会とかが集中していたようだ。
0時過ぎ、帰宅。


4月9日(日)「Xジェンダー・トークライブ」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月9日(日)  雨  東京  15.2度  湿度97%(15時)

9時半、起床。
朝食は、新丸子駅前「ブーランジュリー・メチエ」のクレーム・ド・カカオとコーヒー。
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11時半、小雨の中、家を出る。
桜、まだ持ちそう。
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駅前の回転寿司で軽く昼食(3皿)。
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東急目黒線から東京メトロ南北線に乗り入れ。
12時30分、溜池山王駅で下車。
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雨、本降りに。
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三井三友銀行があったので、通帳記帳。

13時前、赤坂の会議スペースで開催される「赤坂CHANCE(チャンス)シアター」で開催されたLabel X主催「Xジェンダー・トークライブ」を聴講。

私、Xジェンダーという概念がいま一つよくわからない。
でも、「性同一性障害」の次は「Xジェンダー」が流行る予感がするので、Xジェンダーの人たちの主張と針間克己先生の講演を聴いて、勉強するつもり。

最初は、MtXの方。
外見的にはイケメンの中年男性。
なぜかジェンダーではなく、セクシュアル・オリエンテーションの話をする。
「マジョリティ」のセクシュアリティの在り様に同調できないという語り。
それはいい。
ただ、語られる「マジョリティ」のセクシュアリティがあまりにもステレオタイプ。
世の中の「マジョリティ」の男性は、皆、キャバクラやフーゾクに行くようなイメージ。
言うまでもないことだが、「マジョリティ」の男性の性の在り様はかなり多様で、とても幅が広い。
どうも、「マジョリティ」のセクシュアリティの在り様をとても狭く認識して、そこから外れる自分をXジェンダーと規定しているように思える。

続いて「一目惚れ」批判。「よく相手のことを知ってから好きになって欲しい」という主張。
それとXジェンダーがどう関係するのか、よくわからない。
ヘテロセクシュアルにしろ、ゲイ/レズビアンにしろ、恋愛の作法は多様複雑であって、「一目惚れ」か「相手のことを知って好きになる」の二項対立ではない。
ここでも、すごく思い込みが強い感じ。

続いて、針間克己先生のトーク。
精神科医に診断書を求めるXジェンダーの人はけっこういる。
Xジェンダーはそもそもまったく医学概念・病理概念(疾患)ではないので、「Xジェンダー」という診断は出ないし、診断書も書けない。
その当然の論理が必ずしも共有されていないことに驚く。
針間先生曰く、Xジェンダーを主張する人にDSM-4の性同一性障害の診断書は書けないが、それより診断基準に幅があるDSM-5の性別違和の診断書はかける場合がある。

3番目のトークは、MtXの「ご主人」とMtFの「妻」。
う~ん、「主人」か・・・、かなり引いてしまう。
その「ご主人」の外観(茶金のストレートロングのウィッグ、胸元にフリルのついた白のブラウス、紺のスカートスーツ)も、女装系のイベントに参加してセーラー服姿で夜の街を歩いていたという過去も、まあよくある(昔、よく見かけた)女装者そのもの。
なんでクロス・ドレッサー(CD)ではいけないのか、なぜXジェンダーなのか、よくわからない。

次に会場の人たちでディベート。
テーマは「Xジェンダーには定義が必要か?」
必要派の主張の中に「しっかりした定義がないと、なんちゃってXジェンダーが入りこんでしまい、本当のXジェンダーの人が迷惑する」という意見があってびっくり。
つくづく人間は「定義したがり」なんだなぁと思う。

それって、20年前の「真のGID論争」(なんちゃってGIDが入り込むと、本当のGIDが迷惑する→真のGID以外は排除」)とまったく同じ論理。
GID(性同一性障害)は疾病概念だから、明文的な診断基準があり、それに適合しない人が勝手にGIDを名乗れば、たしかに「なんちゃってGID」かもしれない。

しかし、Xジェンダーは医学概念ではなく「自分のジェンダー・アイデンティティが男性・女性どちらにも適合的でない」ということ。
どう適合的でないかは人様々であり、つまり典型的な「Xジェンダーらしさ」というのは規定できないはず。
「既存のジェンダーでは定義できないジェンダー」という「定義できないのが定義」。
そもそも定義的でないなら、それから外れた「なんちゃってXジェンダー」という存在は論理的にあり得ない。

なのに、いつも間には「Xジェンダーらしさ」が求められ、「なんちゃってXジェンダー」が排除され、Xジェンダーの「純化」が進んでいく。
それは、本質的におかしいし、Xジェンダーにとって自滅行為だと思う。

全体的にXジェンダーの人の話を聞いていて、単なる世間知らずという以上に、物事の認識に幅がないというか、思考に融通がきかないというか、良く言えば生真面目なのだが・・・、そんな傾向を強く感じた。
性同一性障害の人にもそういう傾向は感じるが、Xジェンダーはその傾向がもう一段、強いように思った。
それらに比べると、トランスジェンダーは、なんてルーズでいい加減なのだろうと思う。

また、Xジェンダーの人個々の主張があまりに多様で(まとまりがなく)、なにか統一したものを社会に訴えていく(働きかけていく)運動としては、かなり難しいのではないかと思った。

かなりの長丁場(4時間半)でちょっと疲れたが、懇親会で針間先生や佐々木掌子さん、佐々木さんの著書を出版した晃洋書房の編集者さんとお話できて、楽しい夜だった。

22時半、帰宅。


トランスジェンダーが殺される国、安全な国 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月8日(土)

少し前に「殺害されたトランスジェンダー9年間で2343人以上」という記事をアップした。
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2017-04-01-3
その直後、針間克己先生がより詳しく分析された。
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20170402
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20170403
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20170404
基本データは下記。
http://transrespect.org/wp-content/uploads/2017/03/TvT_TMM_TDoV2017_Tables_EN.pdf3

針間先生の分析の根幹は、トランスジェンダー殺人が多い国は、もともと殺人事件が多い国ではないか?という推測。
そこで各国の殺人件数を推測し、その中のトランスジェンダー被害者の割合を推測している。

それを、smcGO さんがまとめた表&グラフが下記。
TGEUのトランスジェンダー殺害データ.jpg
トランスジェンダー殺人が多い国は、もともと殺人事件が多い国というのは、その通り。
以下、数値を整理して紹介する。

ブラジルは、日本に比べてトランスジェンダーが殺される率が570倍。
ベネズエラは450倍、コロンビアは300倍、メキシコは288倍。
こういう国には絶対に住みたくない。

アメリカは63倍。
南米諸国よりはマシだが、やはりひどい状況。

アジアでは、フィリピンが54倍、タイが30倍、パキスタンが26倍。
南米諸国よりだいたい10分の1の危険度。

ヨーロッパは、トルコの71倍と、イタリアの68倍が高い。
ヨーロッパなのか?アジアではないのか?と思うトルコはともかく、EUの主要メンバーでありG7にも入っている先進国イタリアがこれほど危険なのはなぜなのか?
野蛮なアメリカとほぼ同じではないか。
EU&G7仲間のイギリスが16倍、フランスが10倍、ドイツが3倍であるのと大きな差がある。
カトリックの総本山があることとなにか関係するのだろうか?

その他、比較的安全な国をあげると、オランダ、カナダ、オーストラリアなど。
それでも、だいたい日本の10~18倍。
インドは件数では62件と多いが、人口が巨大なので率は低く、日本の6倍ほど。
ちゃんと把握されていればの話だが。
お隣の韓国は日本の2.5倍の危険度。

さらに問題なのは、トランスジェンダーが殺される率が一般の人が殺される率より、高い国があること。
折れ線グラフで、赤い線が上に来ているブラジル、メキシコ、イタリアなど。
トルコ、アメリカもその傾向がある(シンガポールはそもそも殺人が少ないので除外)。

これらの国では、トランスジェンダーは一般人より殺される率が高い。
なぜそうなるか?理由が重要なのだが、残念ながらはっきりしない。
しかし、おそらく、トランスジェンダーのセックスワーカー(とりわけ路上に立つ街娼)の多さと関係しているのではないだろうか。
言い方を換えれば、殺される危険性が高い職業との重なりがあるのでは、ということ。

とにもかくにも、日本はトランスジェンダーが殺される率が世界の主要国の中でいちばん低い、最も安全な国であることは間違いない。

私は以前から、トランスジェンダーが命の危険をほとんど感じずに済む、安全な社会がなにより重要であることを指摘してきた。
法制や政策、人権意識の面での不十分さは確かにあるが、それをもって、日本がトランスジェンダーにとって駄目な国という主張には、私は与しない。

山本蘭一般社団法人gid.jp代表が退任を表明 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月4日(火)

山本蘭一般社団法人gid.jp(日本性同一性障害と共に生きる人々の会)代表が、次回の役員選挙に立候補せず、代表退任を表明。
偉大な指導者の退場で、日本の性同一性障害者運動は大きな転機を迎えることになる。

2003年の設立以来、強烈なリーダーシップで会を率いてきて14年。
ほんとうにお疲れ様でした。

退任の意向は、札幌のGID学会の往路、羽田空港でお話したときにうかがっていたが、長年の論敵として友人として、とても感慨深いです。
重責を離れて静養し、心身の健康を取り戻されることを願っています。
また、お食事、いっしょに行きましょう。

殺害されたトランスジェンダー9年間で2343人以上 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月1日(土)

International Transgender Day of Visibility (TDoV) 」(毎年3月31日)に合わせて、TGEU(Transgender Europe) が「トランスジェンダー殺害データ(最新版)」を発表した。

2008~2016年末までのデータで、ネット上のニュースなどから拾ったトランスジェンダー殺害事件の統計。

9年間に世界で少なくとも2343人のトランスジェンダーが殺害されている。
1年間平均で260人。

◎ 地域別
中南米   1834人
北米     165
アジア    208
ヨーロッパ  117
アフリカ    13
オセアニア    6

中南米が全体の78%を占める。
北米を加えると85%。
アフリカはかなり調査漏れがあるのではないだろうか?

◎ 国別
ブラジルが圧倒的に多く938人で中南米の51%が集中。
ワースト2位がメキシコの290人。
3位はUSAで160人、北米の殺害事件のほとんどがUSA(カナダは5人)。
先進国であるはずのUSAが、トランスジェンダーにとって、いかにひどい状況かがわかる。
以下、4位コロンビア115人、5位ベネズエラ111人、6位ホンジュラス89人と中南米諸国が続く。
アジアでは、インドが62人で最多、フィリピ43人、パキスタン39人と続く。
この3国で、アジア全域の69%を占める。
ヨーロッパは、トルコが44人(←ヨーロッパなのか?)、次いでイタリア32人で、この
両国でヨーロッパ全域の65%を占める。
http://transrespect.org/en/tdov-2017-tmm-update/

日本の数値は示されてなく不明(末尾の追記を参照ください)。
2011年10月に軽井沢で白骨遺体で発見されたニューハーフ死体遺棄事件(死体遺棄罪のみで殺人罪は不起訴)が含まれていれば1名。
2015年11月の東京福生市のトランス男性不審死事件は病死の可能性大。
この種の事件はかなり丁寧にフォローしているが、他には記憶がないので、おそらく1~2名ではないだろうか。

日本の人口は、世界の1.4%ほど。
これを世界で殺害されたトランスジェンダー2343人に当てはめると33人ほどになる。
でも、実際には1~2人。
日本が国際比較的にトランスジェンダーにとって、どれだけ安全な国かよくわかる。

ちなみに、この間に、トランスジェンダーが犯人の殺害事件は、少なくとも1件ある。
2015年12月の菊池あずは容疑者による愛人男性撲殺事件。
(2004年にFtMが母親を殺害した名古屋の事件は、調査対象期間より前)

◎ 職業
殺害されたトランスジェンダーの約64%がセックス・ワーカー。

◎ 殺害方法
銃殺 863人(37%)
刺殺 462人(20%)
撲殺 247人(11%)

【追記】
私が見逃していた国別の表をA.Jさんに指摘していただいた。
http://transrespect.org/wp-content/uploads/2017/03/TvT_TMM_TDoV2017_Tables_EN.pdf
それによると、日本は総計1人(2015年1人)になっている。
これは上に記述したように、2015年11月の東京福生市のトランス男性不審死事件をカウントしたものと思われる。
しかし、この事件は殺人事件の疑いがあると報道されたが、結局、病死(薬物の過剰投与?)で、殺人事件ではなかった可能性が大きい。
それより、2011年10月に軽井沢で発見されたニューハーフ死体遺棄事件が、容疑者の暴行と死因との関係が証明できず、殺人罪では不起訴になった(死体遺棄罪で有罪)が、こちらをカウントすべきだと思う。

アメリカの男性自認レスリング選手 男子大会出場できず…女子大会V [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月1日(土)

トランスジェンダーのスポーツ競技参加の機会確保と、競技の公平性と、どちらを重視すべきか、とても難しい問題。

トランスジェンダーの権利を主張するだけでは、競技の公平性を求めるシスジェンダーの選手は納得しないだろう。

本人が男子競技への参加を望んでいるのなら、それを認めるのがいちばん良いと思う。
女子競技に参加させるのなら、順位は別扱いにするとか・・・、難しい。

IOC(国際オリンピック委員会)では、トランスジェンダーの競技参加について、すでにMtFの女子競技への参加にはかなり厳しい条件付きで許可している。
また、FtMの男子競技への参加は制約なしでOK。
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2016-01-25-2
この規定は基本的に2020東京五輪にも引き継がれるはず。
今回の問題は、男性ホルモン投与をしているFtMが女子競技に参加する際の問題で、これについては公平性の観点から規定の再検討が必要だと思う。

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男性自認レスリング選手、米に波紋 男子大会出場できず…女子大会V

女性として生まれながら男性を自認する米国の高校生レスリング選手が2月、男子の大会への出場が認められず、女子の大会で優勝した。しかし、治療目的で注入していた男性ホルモンが競技力向上目的ならドーピング違反になることから、不公平だとの声が上がった。心と体の性が一致しないトランスジェンダーのアスリートを巡り、スポーツ界も対応を求められている。

渦中の選手はテキサス州のマック・ベグス(17)。女性として生まれたが、米メディアによると、幼い頃から男性を自認し、レスリングの大会で男子選手との対戦を望んだ。しかし州の高校リーグは出生証明書に記載されている性別でしか出場が認められず、ベグスは2月の州選手権に女子選手として出場し、優勝した。

ベグスは性転換治療の一環として、身体的に男性に近づけるためにテストステロン(男性ホルモン)を注入していた。筋肉増大などの効果があり、競技力を向上させる目的での注射ならドーピング違反だが、ベグスは治療目的なので違反にならなかった。

これに対し、対戦相手は不公平だと声をあげ、観客席からブーイングも起きた。ベグスは「ブーイングは気にならなかった。一生懸命やってきたことが報われたのだから」と語った。

スポーツ界では近年、性的少数者の権利を重視する動きが広がってきている。全米大学体育協会(NCAA)はテストステロンの数値などによって出場規定を定め、国際オリンピック委員会(IOC)は性別適合手術を受けていなくても一定の条件下で五輪出場を認めるとのガイドラインをまとめ、参加基準の緩和に乗り出している。

『朝日新聞』2017年3月29日16時30分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12866741.html?rm=150



佐々木掌子著『トランスジェンダーの心理学ー多様な性同一性の発達メカニズムと形成ー』 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月28日(火)

佐々木掌子さんから新著『トランスジェンダーの心理学ー多様な性同一性の発達メカニズムと形成ー』(晃洋書房、2017年3月、2500円税別)をいただく。
佐々木掌子『トランスジェンダーの心理学ー多様な性同一性の発達メカニズムと形成ー』.jpg
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【概 要】
性同一性障害傾向をもつことに、遺伝と環境はどのような影響をおよぼすのか。
ホルモン療法、性別適合手術、性役割、性的指向、他者からの受容、パッシング…… これらは、トランスジェンダーの性同一性にどのような影響をあたえるのであろうか。

3300組以上の双生児と545名のトランスジェンダー当事者への調査を通じて、多様で流動的な性別のあり方がどのような発達メカニズムで起こり、どのように形成されていくのかを解明。
また、男性にも女性にも規定されない性別(Xジェンダー)にも注目する。

【目 次】
序 章 「ある性別として生きる」とはどういうことか――新たな性別観呈示のために
はじめに――性別を決定する基準は何か
(1) 多様な性に関する諸概念
(2) 本書の構成

第1章 これまでの性別観はどのようにつくられてきたか――本書の背景
(1) 性別観をめぐる学校教育領域とマス・メディア領域の立場の違い
(2) これまで性同一性は,何によって形成されると考えられてきたのか
(3) 遺伝と環境要因をつなぐ行動遺伝学研究
(4) `病理'としての性的自己の非典型性

第2章 研究I 双生児データによる性同一性障害傾向の発達メカニズム
(1 )小児期から成人期までの性同一性障害傾向の遺伝と環境の影響

第3章 研究II 多様な性同一性の形成
(1) ジェンダー・アイデンティティの測定法
(2) 身体への医学的介入とジェンダー・アイデンティティの関連
(3) 典型的性役割とジェンダー・アイデンティティの関連
(4) 性的指向の諸側面
(5) 他者や社会からの受容とジェンダー・アイデンティティの関連
(6) ストレスコーピング・スタイルとジェンダー・アイデンティティの関連
(7) ジェンダー・アイデンティティと自尊感情の因果の方向性
(8) 規定されないものとしてのジェンダー・アイデンティティ

終章 これからの性別観――総合考察
(1) 多次元モデルからみた性同一性
(2) 多様で流動的な性別のあり方

あとがき
引用文献
付録:ジェンダー・アイデンティティ尺度
索 引
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佐々木さんは、今や、Gender Identity(性同一性)研究の日本における第一人者になりつつある。
これが初の単著だが、引用文献には海外の論文がたくさん並んでいて、まさに圧巻。
日本の心理学研究には数少ない、国際的な研究水準を踏まえている方。

佐々木さんが、まだ慶應義塾大学の大学院生だった頃から「GID研究会」(現:GID学会)などで知っていた。
その後、海外の学会(WPATH2014:バンコク)にもご一緒して、今では(広い意味での)研究仲間であり、大切な年下の友人。
「佐々木さん」というより「掌子さん(時に、掌子ちゃん)」と呼んでいることの方が多い。
だから、今回の出版はとてもうれしい。

と同時に、これまで「性同一性障害の・・・」という論文や報告が多かった佐々木さんの著書が『トランスジェンダーの・・・』であることがとても感慨深い。
「割り当てられた性別で生きていく」トランスジェンダーと、医療概念(診断名)である「性同一性障害」とでは、その示す範囲の広がりがまったく違い、トランスジェンダーを書名にしたことは、当然であり妥当であると思う。
しかし、この本が5年前に出ていたら、はたしてトランスジェンダーが書名になったか?と考えると、やはり時代は確実に変わってきたということだ。

不妊手術強制されたトランスセクシュアルに賠償の方針、スウェーデン [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月27日(月)

スウェーデンでは1972年から2013年まで性別変更を公式に承認する条件として、不妊手術を法律で義務付けていたが、2012年12月、裁判所がこの慣行は違憲であり欧州人権条約にも違反するとの判断を下した(翌月、法律化)。

今回、スウェーデン政府保健相が、性別変更手続きを完了するために法に従い不妊手術を余儀なくさせられた人たちに対し、賠償金として1人あたり22万5000クローナ(約280万円)を支払うとした法案を提出する計画と語った。

スウェーデンのLGBT権利団体「RFSL」によると、賠償の対象となる、法的に不妊手術を受けさせられたトランスセクシュアルは約800人に上る。

法的な性別の移行に際して本人が必ずしも望まない身体に大きな影響があるSRSを必須条件化することは、トランスジェンダーの人権への侵害であるという考え方は、2014年5月のWHOほか国連機関の共同声明以来、人権を重視する諸国の共通認識になりつつある。

しかし、日本は「GID特例法」で公的な性別の変更要件として手術を規定していて、毎年500~600人の人が断種手術を受けている。
中には、必ずしも手術を望んでいないが、法律の要件なので仕方なく手術を受けている人もいる。

2017年3月19日に札幌医科大学で開催されたGID学会・理事会で、出席した理事の満場一致でWHOの共同声明を支持することが決定した。

これは一歩前進だが、WHO共同声明への支持と手術要件の撤廃に強硬に反対する「当事者団体」もあり、手術要件撤廃への道のりはまだ遠い。

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不妊手術強制されたトランスセクシュアルに賠償の方針、スウェーデン

「AFP」2017年03月27日 09:39 発信地:ストックホルム/スウェーデン

【3月27日 AFP】スウェーデン政府は25日、性別変更手続きに伴い強制的に不妊手術を受けさせられたトランスセクシュアルたちに賠償金を支払う方針を明らかにした。

ガブリエル・ウィクストロム(Gabriel Wikstrom)保健相はスウェーデン紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)に、性別変更手続きを完了するために法に従い不妊手術を余儀なくさせられた人たちに対し、賠償金として1人あたり22万5000クローナ(約280万円)を支払うとした法案を提出する計画だと語った。

スウェーデン政府は1972年から2013年まで、トランスセクシュアルに対し性別変更を公式に承認する条件として、不妊手術を受けることが法律で義務付けられていた。

しかし2012年12月、スウェーデンの裁判所がこうした慣習は違憲であり欧州人権条約(European Convention on Human Rights)にも違反するとの判断を下し、翌月には不妊手術の強制を禁止する法律が発効した。

2013年にはトランスセクシュアル約150人が国に正式な謝罪と総額500万ユーロ(約6億円)、1人あたり3万4000ユーロ(約410万円)程度の賠償金を求める運動を起こした。

スウェーデンのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)権利団体「RFSL」によると、法的に不妊手術を受けさせられたトランスセクシュアルは約800人に上るという。(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3122798

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