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現代の性(性別越境・性別移行) ブログトップ
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山本蘭一般社団法人gid.jp代表が退任を表明 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月4日(火)

山本蘭一般社団法人gid.jp(日本性同一性障害と共に生きる人々の会)代表が、次回の役員選挙に立候補せず、代表退任を表明。
偉大な指導者の退場で、日本の性同一性障害者運動は大きな転機を迎えることになる。

2003年の設立以来、強烈なリーダーシップで会を率いてきて14年。
ほんとうにお疲れ様でした。

退任の意向は、札幌のGID学会の往路、羽田空港でお話したときにうかがっていたが、長年の論敵として友人として、とても感慨深いです。
重責を離れて静養し、心身の健康を取り戻されることを願っています。
また、お食事、いっしょに行きましょう。

殺害されたトランスジェンダー9年間で2343人以上 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月1日(土)

International Transgender Day of Visibility (TDoV) 」(毎年3月31日)に合わせて、TGEU(Transgender Europe) が「トランスジェンダー殺害データ(最新版)」を発表した。

2008~2016年末までのデータで、ネット上のニュースなどから拾ったトランスジェンダー殺害事件の統計。

9年間に世界で少なくとも2343人のトランスジェンダーが殺害されている。
1年間平均で260人。

◎ 地域別
中南米   1834人
北米     165
アジア    208
ヨーロッパ  117
アフリカ    13
オセアニア    6

中南米が全体の78%を占める。
北米を加えると85%。
アフリカはかなり調査漏れがあるのではないだろうか?

◎ 国別
ブラジルが圧倒的に多く938人で中南米の51%が集中。
ワースト2位がメキシコの290人。
3位はUSAで160人、北米の殺害事件のほとんどがUSA(カナダは5人)。
先進国であるはずのUSAが、トランスジェンダーにとって、いかにひどい状況かがわかる。
以下、4位コロンビア115人、5位ベネズエラ111人、6位ホンジュラス89人と中南米諸国が続く。
アジアでは、インドが62人で最多、フィリピ43人、パキスタン39人と続く。
この3国で、アジア全域の69%を占める。
ヨーロッパは、トルコが44人(←ヨーロッパなのか?)、次いでイタリア32人で、この
両国でヨーロッパ全域の65%を占める。
http://transrespect.org/en/tdov-2017-tmm-update/

日本の数値は示されてなく不明(末尾の追記を参照ください)。
2011年10月に軽井沢で白骨遺体で発見されたニューハーフ死体遺棄事件(死体遺棄罪のみで殺人罪は不起訴)が含まれていれば1名。
2015年11月の東京福生市のトランス男性不審死事件は病死の可能性大。
この種の事件はかなり丁寧にフォローしているが、他には記憶がないので、おそらく1~2名ではないだろうか。

日本の人口は、世界の1.4%ほど。
これを世界で殺害されたトランスジェンダー2343人に当てはめると33人ほどになる。
でも、実際には1~2人。
日本が国際比較的にトランスジェンダーにとって、どれだけ安全な国かよくわかる。

ちなみに、この間に、トランスジェンダーが犯人の殺害事件は、少なくとも1件ある。
2015年12月の菊池あずは容疑者による愛人男性撲殺事件。
(2004年にFtMが母親を殺害した名古屋の事件は、調査対象期間より前)

◎ 職業
殺害されたトランスジェンダーの約64%がセックス・ワーカー。

◎ 殺害方法
銃殺 863人(37%)
刺殺 462人(20%)
撲殺 247人(11%)

【追記】
私が見逃していた国別の表をA.Jさんに指摘していただいた。
http://transrespect.org/wp-content/uploads/2017/03/TvT_TMM_TDoV2017_Tables_EN.pdf
それによると、日本は総計1人(2015年1人)になっている。
これは上に記述したように、2015年11月の東京福生市のトランス男性不審死事件をカウントしたものと思われる。
しかし、この事件は殺人事件の疑いがあると報道されたが、結局、病死(薬物の過剰投与?)で、殺人事件ではなかった可能性が大きい。
それより、2011年10月に軽井沢で発見されたニューハーフ死体遺棄事件が、容疑者の暴行と死因との関係が証明できず、殺人罪では不起訴になった(死体遺棄罪で有罪)が、こちらをカウントすべきだと思う。

アメリカの男性自認レスリング選手 男子大会出場できず…女子大会V [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月1日(土)

トランスジェンダーのスポーツ競技参加の機会確保と、競技の公平性と、どちらを重視すべきか、とても難しい問題。

トランスジェンダーの権利を主張するだけでは、競技の公平性を求めるシスジェンダーの選手は納得しないだろう。

本人が男子競技への参加を望んでいるのなら、それを認めるのがいちばん良いと思う。
女子競技に参加させるのなら、順位は別扱いにするとか・・・、難しい。

IOC(国際オリンピック委員会)では、トランスジェンダーの競技参加について、すでにMtFの女子競技への参加にはかなり厳しい条件付きで許可している。
また、FtMの男子競技への参加は制約なしでOK。
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2016-01-25-2
この規定は基本的に2020東京五輪にも引き継がれるはず。
今回の問題は、男性ホルモン投与をしているFtMが女子競技に参加する際の問題で、これについては公平性の観点から規定の再検討が必要だと思う。

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男性自認レスリング選手、米に波紋 男子大会出場できず…女子大会V

女性として生まれながら男性を自認する米国の高校生レスリング選手が2月、男子の大会への出場が認められず、女子の大会で優勝した。しかし、治療目的で注入していた男性ホルモンが競技力向上目的ならドーピング違反になることから、不公平だとの声が上がった。心と体の性が一致しないトランスジェンダーのアスリートを巡り、スポーツ界も対応を求められている。

渦中の選手はテキサス州のマック・ベグス(17)。女性として生まれたが、米メディアによると、幼い頃から男性を自認し、レスリングの大会で男子選手との対戦を望んだ。しかし州の高校リーグは出生証明書に記載されている性別でしか出場が認められず、ベグスは2月の州選手権に女子選手として出場し、優勝した。

ベグスは性転換治療の一環として、身体的に男性に近づけるためにテストステロン(男性ホルモン)を注入していた。筋肉増大などの効果があり、競技力を向上させる目的での注射ならドーピング違反だが、ベグスは治療目的なので違反にならなかった。

これに対し、対戦相手は不公平だと声をあげ、観客席からブーイングも起きた。ベグスは「ブーイングは気にならなかった。一生懸命やってきたことが報われたのだから」と語った。

スポーツ界では近年、性的少数者の権利を重視する動きが広がってきている。全米大学体育協会(NCAA)はテストステロンの数値などによって出場規定を定め、国際オリンピック委員会(IOC)は性別適合手術を受けていなくても一定の条件下で五輪出場を認めるとのガイドラインをまとめ、参加基準の緩和に乗り出している。

『朝日新聞』2017年3月29日16時30分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12866741.html?rm=150



佐々木掌子著『トランスジェンダーの心理学ー多様な性同一性の発達メカニズムと形成ー』 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月28日(火)

佐々木掌子さんから新著『トランスジェンダーの心理学ー多様な性同一性の発達メカニズムと形成ー』(晃洋書房、2017年3月、2500円税別)をいただく。
佐々木掌子『トランスジェンダーの心理学ー多様な性同一性の発達メカニズムと形成ー』.jpg
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【概 要】
性同一性障害傾向をもつことに、遺伝と環境はどのような影響をおよぼすのか。
ホルモン療法、性別適合手術、性役割、性的指向、他者からの受容、パッシング…… これらは、トランスジェンダーの性同一性にどのような影響をあたえるのであろうか。

3300組以上の双生児と545名のトランスジェンダー当事者への調査を通じて、多様で流動的な性別のあり方がどのような発達メカニズムで起こり、どのように形成されていくのかを解明。
また、男性にも女性にも規定されない性別(Xジェンダー)にも注目する。

【目 次】
序 章 「ある性別として生きる」とはどういうことか――新たな性別観呈示のために
はじめに――性別を決定する基準は何か
(1) 多様な性に関する諸概念
(2) 本書の構成

第1章 これまでの性別観はどのようにつくられてきたか――本書の背景
(1) 性別観をめぐる学校教育領域とマス・メディア領域の立場の違い
(2) これまで性同一性は,何によって形成されると考えられてきたのか
(3) 遺伝と環境要因をつなぐ行動遺伝学研究
(4) `病理'としての性的自己の非典型性

第2章 研究I 双生児データによる性同一性障害傾向の発達メカニズム
(1 )小児期から成人期までの性同一性障害傾向の遺伝と環境の影響

第3章 研究II 多様な性同一性の形成
(1) ジェンダー・アイデンティティの測定法
(2) 身体への医学的介入とジェンダー・アイデンティティの関連
(3) 典型的性役割とジェンダー・アイデンティティの関連
(4) 性的指向の諸側面
(5) 他者や社会からの受容とジェンダー・アイデンティティの関連
(6) ストレスコーピング・スタイルとジェンダー・アイデンティティの関連
(7) ジェンダー・アイデンティティと自尊感情の因果の方向性
(8) 規定されないものとしてのジェンダー・アイデンティティ

終章 これからの性別観――総合考察
(1) 多次元モデルからみた性同一性
(2) 多様で流動的な性別のあり方

あとがき
引用文献
付録:ジェンダー・アイデンティティ尺度
索 引
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佐々木さんは、今や、Gender Identity(性同一性)研究の日本における第一人者になりつつある。
これが初の単著だが、引用文献には海外の論文がたくさん並んでいて、まさに圧巻。
日本の心理学研究には数少ない、国際的な研究水準を踏まえている方。

佐々木さんが、まだ慶應義塾大学の大学院生だった頃から「GID研究会」(現:GID学会)などで知っていた。
その後、海外の学会(WPATH2014:バンコク)にもご一緒して、今では(広い意味での)研究仲間であり、大切な年下の友人。
「佐々木さん」というより「掌子さん(時に、掌子ちゃん)」と呼んでいることの方が多い。
だから、今回の出版はとてもうれしい。

と同時に、これまで「性同一性障害の・・・」という論文や報告が多かった佐々木さんの著書が『トランスジェンダーの・・・』であることがとても感慨深い。
「割り当てられた性別で生きていく」トランスジェンダーと、医療概念(診断名)である「性同一性障害」とでは、その示す範囲の広がりがまったく違い、トランスジェンダーを書名にしたことは、当然であり妥当であると思う。
しかし、この本が5年前に出ていたら、はたしてトランスジェンダーが書名になったか?と考えると、やはり時代は確実に変わってきたということだ。

不妊手術強制されたトランスセクシュアルに賠償の方針、スウェーデン [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月27日(月)

スウェーデンでは1972年から2013年まで性別変更を公式に承認する条件として、不妊手術を法律で義務付けていたが、2012年12月、裁判所がこの慣行は違憲であり欧州人権条約にも違反するとの判断を下した(翌月、法律化)。

今回、スウェーデン政府保健相が、性別変更手続きを完了するために法に従い不妊手術を余儀なくさせられた人たちに対し、賠償金として1人あたり22万5000クローナ(約280万円)を支払うとした法案を提出する計画と語った。

スウェーデンのLGBT権利団体「RFSL」によると、賠償の対象となる、法的に不妊手術を受けさせられたトランスセクシュアルは約800人に上る。

法的な性別の移行に際して本人が必ずしも望まない身体に大きな影響があるSRSを必須条件化することは、トランスジェンダーの人権への侵害であるという考え方は、2014年5月のWHOほか国連機関の共同声明以来、人権を重視する諸国の共通認識になりつつある。

しかし、日本は「GID特例法」で公的な性別の変更要件として手術を規定していて、毎年500~600人の人が断種手術を受けている。
中には、必ずしも手術を望んでいないが、法律の要件なので仕方なく手術を受けている人もいる。

2017年3月19日に札幌医科大学で開催されたGID学会・理事会で、出席した理事の満場一致でWHOの共同声明を支持することが決定した。

これは一歩前進だが、WHO共同声明への支持と手術要件の撤廃に強硬に反対する「当事者団体」もあり、手術要件撤廃への道のりはまだ遠い。

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不妊手術強制されたトランスセクシュアルに賠償の方針、スウェーデン

「AFP」2017年03月27日 09:39 発信地:ストックホルム/スウェーデン

【3月27日 AFP】スウェーデン政府は25日、性別変更手続きに伴い強制的に不妊手術を受けさせられたトランスセクシュアルたちに賠償金を支払う方針を明らかにした。

ガブリエル・ウィクストロム(Gabriel Wikstrom)保健相はスウェーデン紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)に、性別変更手続きを完了するために法に従い不妊手術を余儀なくさせられた人たちに対し、賠償金として1人あたり22万5000クローナ(約280万円)を支払うとした法案を提出する計画だと語った。

スウェーデン政府は1972年から2013年まで、トランスセクシュアルに対し性別変更を公式に承認する条件として、不妊手術を受けることが法律で義務付けられていた。

しかし2012年12月、スウェーデンの裁判所がこうした慣習は違憲であり欧州人権条約(European Convention on Human Rights)にも違反するとの判断を下し、翌月には不妊手術の強制を禁止する法律が発効した。

2013年にはトランスセクシュアル約150人が国に正式な謝罪と総額500万ユーロ(約6億円)、1人あたり3万4000ユーロ(約410万円)程度の賠償金を求める運動を起こした。

スウェーデンのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)権利団体「RFSL」によると、法的に不妊手術を受けさせられたトランスセクシュアルは約800人に上るという。(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3122798

MtF学生の女子大学入学問題 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月22日(水)

MtF学生の女子大学入学問題、日本女子大が検討へ。
朝日新聞20170320-1.jpg朝日新聞20170320-2.jpg
私のこの問題についての所感は下記。
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
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「心は女性」女子大入学可能に? 日本女子大、検討へ

日本女子大学(東京都文京区)が、男性の体で生まれたが、女性として生きるトランスジェンダー=キーワード=の学生を受け入れるかどうかの検討を新年度から始める。体の性別を入学の前提にしてきた女子大だが、さまざまな性のあり方への認識が広がる中、生物学的に男性に生まれた人にも門戸を開く可能性が出てきた。

伝統校の日本女子大が議論を始めることで、他の女子大に影響を与える可能性もある。

検討のきっかけは2015年末、神奈川県に住む小学4年生の保護者からの問い合わせだった。この児童は戸籍上は男子だが、性同一性障害と診断され、女子として生活している。同大や付属校の入試の出願資格には、「女子」との規定があるが、同大付属中の受験を希望していた。

これを受け、同大は16年8月、付属の幼稚園、小・中・高校、大学の学部代表らで「LGBTに関する検討プロジェクトチーム」(座長・小山〈おやま〉聡子副学長)を設け、議論した。「多様な学生を受け入れるべきだ」という積極論の一方、「学生や生徒、保護者、教員の理解が浸透しているとはいえない」などの慎重論もあり、同年10月末、現段階では受け入れは難しいと結論づけた。

だが同時に、まず大学で受け入れをめぐる検討を先行させることも決めた。新年度に学内に会議を設け、すでにいる性的少数者の支援も含め、受け入れの可否を検討する。女子大の中には、戸籍の性別を女性に変更すれば入学できるところもあるが、20歳以上や性別適合手術などの要件があり、ハードルが高い。女子大が仮に受け入れを決める場合には、医師の診断など具体的な要件をどうするかが課題になる。

小山副学長は「『女子とは何か』の判断基準の検討は、女子大の価値や存在意義を考えることに重なる。まず、学生や保護者らの声を聞き、多角的に議論したい」と話している。(編集委員・氏岡真弓、杉山麻里子)

 ◆キーワード
<トランスジェンダー> 体と心の性が一致せず、自らの性に対し「違和」を持つ人。病院で「性同一性障害」の診断を受ける人もいる。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルとともに「LGBT」に含まれる。電通ダイバーシティ・ラボ(東京)が行った国内の成人約7万人を対象にした調査(15年)では、LGBTなど性的少数者に当たる人は全体の7.6%。トランスジェンダーは0.7%とされる。

『朝日新聞』2017年3月20日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12850440.html?_requesturl=articles/DA3S12850440.html&rm=150

「性別違和が主訴の症例数と国内外性別適合手術例数の推定調査」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月22日(水)

第19回GID(性同一性障害)学会・研究大会(札幌医大)で、針間克己先生が報告された日本精神神経学会「性同一性障害に関する委員会」による「性別違和が主訴の症例数と国内外性別適合手術例数の推定調査」についての報道。

『日本経済新聞』2017年3月18日
日経新聞20170118.jpg

『朝日新聞』2017年3月21日
朝日新聞20170321.jpg

『読売新聞』2017年3月21日
読売新聞20170321.jpg

以下、針間先生のブログを転記。
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20170319
【調査方法】
26の医療機関に、平成27年12月末までに性別違和を主訴に受診した1)症例数(FTM,MTF別)、2)特例法診断書(第1署名)作成数(FTM,MTF別)、3)特例法診断書における性別適合手術の実施医療機関の国内外別(FTM,MTF別)のアンケート調査を行った。

【結果】
・24医療機関からは平成27年12月末までの回答が得られた。2医療機関からは前回と同様の平成24年12月末までの回答であった。
・受診者数:合計22435例。FTM14747例(65.7%)、MTF7688例(34.3%)。
・診断書数:合計4671例(性別不明813例)。FTM2929例(75.9%)、MTF929例(24.1%)。
・手術:国内1407例(51.5%)、国外1379例(48.5%)、
FTM国内1130例(52.9%)、FTM国外1002例(47.1%)、
MTF国内277例(42.4%)、MTF国外377例(57.6%)
・戸籍変更率 合計20.8%(4671/22435)、FTM23.3%(2929/12573)、MTF16.0%(929/5789)

【考察】最高裁の発表では、平成27年12月末までに6021名が戸籍変更。
よって、77.6%(4671/6021)を把握。

推測方法1.6021/0.208=28919例が日本全体での受診者。
推測方法2.戸籍変更FTM、MTF比より、推定戸籍変更者はFTM4570例、MTF1451例。

FTM推定受診者19617例(4570/0.233)、MTF推定受診者9042例(1451/0.16)。
よって合計の28659例が日本全体での受診者。

なおこれらの数値は延べ受診者数。一人の患者が複数の医療機関受診することもあり。複数医療機関受診者の割合は不明だが、2~3割いると仮定すれば実数は延べ人数の85~90%となり、約24000例から26000例となる。
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性同一性障害の国内受診者延べ2.2万人 学会公表

心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)で国内の医療機関を受診した人が、2015年末までに延べ約2万2千人に上ったとの調査結果を日本精神神経学会の研究グループがまとめ、札幌市で18日に始まったGID学会総会で公表した。12年末時点の前回調査と比べ、3年で約5割に当たる7千人増加した。実際のGID当事者はさらに多いとの見方が強く、受け皿の整備が求められそうだ。

障害への社会の認知が広がり、当事者の意識も変化したことが増加理由とみられる。当事者は国内に数万人いるとされるが、受診者数で改めて裏付けられた。専門家は「児童、生徒や高齢者を中心に、まだ医療機関を受診できていない人もいる」とし、今後も受診者数が増えると指摘した。

研究グループの針間克己医師らが、GID当事者が受診しているとみられる各地の26医療機関にアンケートを実施。医師がGIDと診断した人数を集計したところ、15年末までに延べ2万2435人だった。14年にも同様の調査を行い、12年末までの受診者数を集計。その際は延べ1万5105人だった。

今回調査で、体が女性で心は男性の受診者が1万4747人だったのに対し、逆のケースは7688人だった。針間氏らは、26医療機関以外で診断を受けた人もいるとみて、国内の当事者数を約2万5千人と推計した。

GID学会理事長の中塚幹也・岡山大大学院教授(生殖医学)は「障害への理解を深め、いじめや差別などの二次被害をなくすためにも、当事者の数を示すことは重要だ」と指摘。行政や医療機関の態勢づくりで、議論を促したいと話した。

GIDの当事者数を巡っては、全国で4万6千人いるとの推計を北海道の大学教授らが13年にまとめている。〔共同〕

『日本経済新聞』2017年3月18日 11:42
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H2M_Y7A310C1CC0000/
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性同一性障害 受診2.2万人…認知広がり3年で7000人増

心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)で医療機関を受診した人は、2015年末までで延べ2万2000人に上ることが、日本精神神経学会の調査で分かった。3年前の調査より約7000人増えた。

GID治療を行う国内の主要な26医療機関を対象に、診療記録に残る受診者数などをアンケート。15年末(一部は12年末)までに性別の違和感を訴えて医療機関を受診した人は、延べ2万2435人だった。受診者数は前回約1万5000人だったが、GIDが社会で広く知られるようになり、増えたとみられる。

受診者のうち、体は女性だが心は男性と訴える人が66%、体は男性だが心は女性という人は34%だった。性別適合手術を受け、性別変更に必要な診断書を取って戸籍上の性別を変更した人は約4700人で全体の2割。女性から男性に変更した人の方が、男性から女性に変更した人より3倍以上多かった。

調査結果には、同じ人が複数の医療機関を受診した例も含まれるが、「多くても全体の2、3割」(調査担当者)という。

厚生労働省によると、3年に1度、「患者調査」として性同一性障害の人の数を調査しているが、調査した年1年間の受診者数しか数えていないという。

GIDの治療は、ホルモン治療や手術などがあるが、精神療法のほかは健康保険の対象外で、本人負担は高額になる。GID学会の針間克己副会長は「手術の保険適用とともに、手術を受けていない人の医療をどうするかも考えなければならない」と訴える。

『読売新聞』2017年3月21日 
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170321-OYTET50053/

GID学会・理事会がWHO声明の支持を決定 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月19日(日)

19日、札幌医科大学で開催されたGID学会・理事会が、法的な性別の変更に手術を要件とすることは、身体の完全性・自己決定の自由・人間の尊厳の尊重に反する人権侵害とするWHOなど国連諸機関の共同声明(2014年5月30日)を支持することを満場一致で決定。

WHOなどの共同声明から3年近くが経ってようやく、関係学会の理事会が「支持」を決定したことは、トランスジェンダーの人権尊重に向けた大きな一歩。

法的な性別の移行に際して、本人が必ずしも望まない身体に大きな影響があり、高額の費用がかかるSRSを必須条件化することは、トランスジェンダーの人権への侵害であるという考え方は、2014年5月のWHOほか国連機関の共同声明以来、人権を重視する諸国の共通認識になりつつある。
しかし、日本のGID学会は、共同声明が出された後の2回の大会(2015、2016年)で、この重要な声明に対して、なんの意見表明もせず、実質的に無視してきた。

今回、2017年の大会を前にして、東優子理事をはじめとする複数の理事から、GID学会・理事会としてWHOなどの共同声明への支持を表明すべき、との提案がなされ、理事長が理事会の議題として取り上げ、出席した理事の満場一致で、WHOなどの共同声明を支持することが決定した。

今まで、医療重視・人権軽視の傾向があった学会の理事会でこうした決定がなされた意味は大きい。
日本にもようやく、身体の自己決定の自由というトランスジェンダーの人権擁護への流れが及んできたということだと思う。


3月19日(日)第19回GID学会研究大会・札幌(2日目) [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月19日(日)  晴れ  札幌  5.9度  湿度59%(15時)

6時半、起床(ラ・ジェンド・ステイ札幌大通)。
ベッドに入ったのが3時近かったので、実質睡眠時間は3時間半。
さすがに身体がきつい。
でも、GID学会は今日が私の出番なので、朝食は、しっかり食べる。
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9時前、ホテルを出る。
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札幌は今日も良い天気。
札幌にしては温かい。
ただ、昨日より風が強い。
タクシーで会場(札幌医科大学)に向かう。
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理事会の様子が気になるので、ドアの外で待機。
法的な性別の変更に手術を要件とするすることは、身体の完全性・自己決定の自由・人間の尊厳の尊重に反する人権侵害とするWHOなど国連諸機関の共同声明(2014年5月30日)を支持する提案が理事会で採択されたとのこと、よかった(詳細は下記)。
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2017-03-19-3

9時30分、第19回GID学会・研究大会の2日目、開始。

【シンポジウム 3】GID の用語を巡る諸問題(9:30 ~10:50)
S3-1. 「Gender incongruence」の日本語訳についての考え方
 池田官司(北海道文教大学人間科学部作業療法学科)
S3-2. 性同一性障害とは何だったのか
 中根秀之(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻
リハビリテーション科学講座 精神障害リハビリテーション学分野)
S3-3. DSM-5 の日本語訳への疑問およびICD-11 gender incongruenceの日本語訳案の検討
 針間克己(はりまメンタルクリニック)
S3-4. SOGIEの多様性に関する専門用語と「正しい知識」問題
 東 優子(大阪府立大学地域保健学域)

【シンポジウム 4】教育現場における性別違和をもつ児童生徒の現状と対応(10:50 ~12:10)
S4-1. 二次性徴抑制療法および18 歳未満に対するホルモン療法の報告義務とリマインド
 佐藤俊樹(さとうクリニック)
S4-2. 性別違和をもつ児童生徒の通学する学校との連携
 佐々木掌子(立教女学院短期大学現代コミュニケーション学科)
S4-3. 学校教育と性別違和を持つ生徒への対応 −スクールカウンセラーの立場から
 手代木理子(札幌医科大学小児科、札幌市教育委員会スクールカウンセラー)
S4-4. トランスジェンダー生徒の学校経験
 土肥いつき(京都府立高校教員、大阪府立大学博士後期課程)

【GID 委員会からの報告 国内推定当事者数について(12:10 ~12:20)
「性同一性障害に関する委員会」による性別違和が主訴の症例数

【理事長講演】(12:20 ~12:40)
性同一性障害を取り巻く課題と今後の展望
 中塚幹也( 岡山大学大学院保健学研究科)

昼食は、道の向こう側の「THE END CAFE」というスープカレーがメインのお店へ。
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↑ 野菜スープカレー&ご飯(小)&ザンギ(鶏唐揚げ)2個+マンゴージュース(1380円)。
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野菜たっぷりで、おいしいのだが、重要な総会の時間が迫っていて、大急ぎで食べなければならなかったのが残念。

【総会】(13:30~13:50)

【シンポジウム 5】ジェンダーの多様性をめぐる神話(Fictionss and Realities of Gender Variation (15:00 ~16:30)
S5-1. GID の神話を歴史に引き戻す
三橋順子(明治大学文学部)
S5-2. どんな理解を促進するのか
遠藤まめた(やっぱり愛ダホ! idaho-net.)
S5-3. 性の多様性:LGBTのメインストリーム化で失われていくもの
東 優子(大阪府立大学地域保健学域)

16時40分、閉会
大急ぎで空港に急ぐ人もいたが、飛行機の時間まで飲みたい人も多数。

17時過ぎ、居酒屋「ほたる」へ。
ここも既視感がある。7年前に来たのかな?
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ここで30人ほどで延々と大宴会。
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21時を過ぎ、帰る人は帰り、札幌もう1泊組だけが残る。
22時、中締め。
お会計をみたら、13万余円!
22時45分、さすがの大宴会もずいぶん人が少なくなってきた。
まだ話していたい気持ちもあったが身体が限界に近づいている。
康先生に「三橋さん。もう帰った方がいいよ」と言われる。
よほど疲れが顔に出ていたのだろう。
ドクターのアドバイスに素直に従って辞去。

23時過ぎ、ホテルに帰還。
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なかなか、良いお部屋だったが、滞在時間が少なかった。

就寝、1時(ラ・ジェンド・ステイ札幌大通)。

夜の札幌 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月18日(土)
(続き)
チャーターしたバスで繁華街へ移動。
車中、針間先生に来年の第20回記念大会の構想をうかがう。
「他ならぬ先生が会長の大会ですから、なんでもお手伝いいたします。たとえば、大振袖を着て受付嬢とか・・・」
「それはいいから」と即座に却下される(泣)。

【懇親会】(18:45~21:00)は「キリンビール園新館(アーバン店)」。
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学会の懇親会には珍しく、立食ではなく着席形式。
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↑ おおっ!
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↑ エプロンで完全防備の中塚理事長の乾杯の発声で飲み始め&焼き始め。
腹ごしらえができたところで、動き回って、あちこち挨拶と打ち合わせ。
おいしかった。お腹いっぱい。

21時過ぎ、散会。
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↑ 路上にたむろする人々。

地元・当事者団体主催の「全国交流会」へ。
会場はグランド居酒屋「富士」。
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7年前もここだったような気がする。
さらに、いろいろな方とおしゃべり。
23時20分、お開き。

学会、懇親会(ジンギスカン)、全国交流会、さすがに、そこで打ち止めと思ったら、なんと、さらにカラオケへ。
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針間克己先生、康純先生、東優子さん、土肥いつきさん、野宮亜紀さんなど8名。
私、明日は、シンポジウム報告なのに4曲も歌ってしまう。
「夢は夜ひらく」(園まり)
「桃色吐息」(高橋真理子)
「ラストダンスは私に」(越路吹雪)
「星の流れに」(菊池章子)。
1時半、やっとほんとうにお開き。

徒歩でホテルに戻ったのが、1時50分。
ドアが開かず締め出し状態。
電話して開けてもらう。
ああ、恥ずかしい。

就寝、2時50分(ラ・ジェンド・ステイ札幌大通)。

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