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平成30年間のトランスジェンダー関係略年表 [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

2月20日(水)

平成30年間のトランスジェンダー関係の略年表を作った。

以下、年表から読み取れること。

① 1990年代には、ニューハーフ、女装などトランスジェンダー・カルチャーの活動が活発だったこと。
② 2000年前後に、性別移行を病理とする「性同一性障害」の流れが急速に展開すること。
③ 2003~2005年に、女装、ニューハーフ系の雑誌が次々に廃刊になること。
④ 2008年頃から、病理化のもとで逼塞させられていたトランスジェンダー・カルチャーの復活・再生(リニューアル・21世紀型)が始まること。
⑤ 2014年頃から、性別移行の病理化に反対す潮流が日本でもはっきりしてくること。

【追記(4月5日)】加筆・修正版はこちら(↓)
https://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2019-04-05-5
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平成:トランスジェンダー略年表
          三橋順子

1989~90年 「Mr.レディ」ブーム。
1990年1月 映画『Mr.レディ 夜明けのシンデレラ』(東宝)公開。六本木のニューハーフ矢木沢まりが準主演。
1990年 女装系BBS「EON」(東京)、「スワンの夢」(大阪)が開局・
1991年12月 初の女装系商業雑誌『CROSS DRESSING』(光彩書房)創刊(1992年4月、2号で廃刊)。
1992年10月 ニューハーフ系商業雑誌『シ-メール白書』(光彩書房)創刊。
1993~95年 「なにわのニューハーフ」ブーム。
1993年10月 蔦森樹『男でもなく女でもなく ―新時代のアンドロジナスたちへ』(勁草書房)刊行。
1994年7月 虎井まさ衛がミニコミ誌『FTM日本』を創刊。
1995年 和田耕治医師が「性転換手術」を開始。
1995年3月 ニューハーフ系商業雑誌『ニューハーフ倶楽部』(三和書房)創刊。
1995年8月 第12回世界性科学会議(横浜)サポートプログラム「日本におけるトランスセクシャリズム」開催。
1995~2000年 女装者の親睦集団「クラブ フェイクレディ(CFL)」が活動。
1996年3月 虎井まさ衛『女から男になったワタシ』(青弓社)刊行。
1996年7月 インターネットサイト「トランスジェンダーカフェ」が開設 。
1996年8月 トランスセクシュアルの自助支援グループ「TSとTGを支える人々の会」発足(のちの「TNJ」)。
1996~98年 新宿女装コミュニティの全盛期。
1997年5月 松尾寿子『トランスジェンダリズム―性別の彼岸』(世織書房)刊行。
1997年5月 日本精神神経学会が「性同一性障害に関する答申と提言」(ガイドライン)を策定(病理化推進の開始)。
1997年7月 公開シンポジウム「性同一性障害の過去・現在・未来」(神田「学士会館」)開催。
1998年7月 第7回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭・フィルムコンテスト」で映画「We are Transgenders.」がグランプリ受賞。
1998年2月【Trans-womanによる殺人事件】東京・新宿区歌舞伎町のラブホテルで、海上自衛隊三等海曹が刺殺される。ニューハーフのストリートガール(27)が逮捕。
1998年10月 埼玉医科大学(執刀:原科孝雄教授)でガイドラインに基づくものとしては初めての女性から男性への「性転換手術」が行われる。
1999年2月 「戦後〈トランスジェンダー〉社会史研究会」(代表:矢島正見中央大学教授)が発足。
1999年3月 「GID(性同一性障害)研究会」が発足。
1999年7月 蔦森樹編『(現代のエスプリ)トランス・ジェンダー現象』(至文堂)刊行。
1999年10月 山内俊雄『性転換手術は許されるのか―性同一性障害と性の在り方』(明石書店)刊行。
2000年2月 吉永みち子『性同一性障害 ―性転換の朝』(集英社新書)刊行。
2000年4月 大学教員(非常勤)任用(蔦森樹ー琉球大学、三橋順子ー中央大学)。
2000年7月 藤野千夜、「夏の約束」で第122回芥川賞を受賞。
2001年5月 6人の性同一性障害者が性別(続柄)の訂正を一斉に家庭裁判所に申し立て。すべて却下されたものの「立法により解決されるべきである」という裁判所の見解を引き出す。
2001年10月 TBSテレビ系「3年B組金八先生(第6シリーズ)」放送。「性同一性障害」ブームへ。
2002年2月 大阪市北区堂島の「わだ形成クリニック」で、性別適合手術の直後に患者が死亡。2005年6月、院長の和田耕治医師を業務上過失容疑で書類送検(起訴猶予)。
2002年6月 大島俊之『性同一性障害と法』(日本評論社)刊行。
2002年6月 【昭文社事件】男性社員が「女装」で出勤 したことを理由に出版社 を解雇される。東京地裁はこの社員の訴えを認め解雇無効の仮処分を決定。
2003年3月 性同一性障害者の団体「gid.jp(性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会)」発足。
2003年4月 上川あや、東京都世田谷区議会議員に当選(現在4期目)。
2003年5月 米沢泉美ら『トランスジェンダリズム宣言―性別の自己決定権と多様な性の肯定』(現代評論社)刊行。
2003年7月 「性同一性障害者の性別取扱い特例法」が成立(2004年7月実施)。一定の要件を満たす性同一性障害者に戸籍の性別(続柄)の変更を認める。
2003年12月 アマチュア女装交際誌『くいーん』(アント商事)が142号で廃刊(創刊は1980年6月)。
2005年8月 女装雑誌『ひまわり』(雄美社)が76号で廃刊(創刊は1983年)。
2006年4月 矢島正見編著『戦後日本女装・同性愛研究』(中央大学出版部)刊行。
2006年5月 杉山文野『ダブルハッピネス』(講談社)刊行。
2007年2月 上川あや『変えてゆく勇気―「性同一性障害」の私から』(岩波新書)刊行。
2007年8月 『ニューハーフ倶楽部』(三和出版)が57号で廃刊(創刊は1995年)。
2007年12月 中村中が「友達の詩」がヒットでNHK紅白歌合戦に出場(紅組)。
2008年4月 フジテレビ系ドラマ「ラスト・フレンズ」放送。
2008年夏 はるな愛、大ブレイク。
2008年9月 女装の日本文化史、三橋順子『女装と日本人』(講談社現代新書)刊行。
2008年9月 石田仁編著『性同一性障害―ジェンダー・医療・特例法―』(御茶の水書房)刊行。
2008年10月 女装ハウツー本、女装普及員会『オトコの娘のための変身ガイド―カワイイは女の子だけのものじゃない』(遊タイム出版)刊行。
2009年 大規模な女装イベント「女装・ニューハーフ プロパガンダ」(新宿歌舞伎町)が始まる。
2009年10月 鶴田幸恵『性同一性障害のエスノグラフィ―性現象の社会学』(ハーベスト社)刊行。
2009年11月 はるな愛、「ミス・インターナショナル・クイーン」(タイ)でグランプリ受賞。
2009年11月 「東京化粧男子宣言」開催。「男の娘」ブーム。
2011年10月 【軽井沢ニューハーフ死体遺棄事件】長野県南牧村の別荘地でニューハーフ(37歳)死体が発見される。容疑者の男性による暴行と死因との関係が立証できず、殺人罪では不起訴(死体遺棄罪で有罪)。
2013年頃 男装女子ミニブーム。
2013年7月 gid.jp創立10周年記念フォーラム・
2013年12月 最高裁判所が、戸籍を男性に変更したTrans-manの妻が産んだ子供を、実子(嫡出子)として認定する決定。
2014年2月【「声優のアイコ」連続昏睡強盗事件】東京都で連続昏睡強盗事件が発生。容疑者は「声優のアイコ」と名乗る性同一性障害者(FtM)。裁判で解離性同一性障害(多重人格)を主張するも認められず懲役10年。
2014年5月 WHOなど国連諸機関がトランスジェンダーやインターセックスの性別変更に関わる強制的な生殖腺切除に反対する共同声明を発表。性別変更にSRSを必須とする法システムは人権侵害という考え方が明確に打ち出される。日本の「GID特例法」はこれに抵触。
2014年 Trans-womanの仲岡しゅんが司法試験合格、2016年から弁護士に。
2015年2月 【Trans-womanによる殺人事件】東京・中央区のマンションで男性が殺害された事件で、Trans-womanのホステス(28歳)が殺人罪で逮捕。懲役16年が確定。
2015年3月 GID学会第17回研究大会(大阪府立大学)で、大会テーマに初めて「トランスジェンダーを掲げる。
2015年4月 文部科学省児童生徒課長通知「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」。
2015年7月 【ゴルフクラブ入会訴訟】2012年戸籍を男性から女性に変更したTrans-womanがゴルフクラブへの入会を拒否されたのは不当と提訴。東京高裁が違法と認め、クラブ側に110万円の賠償を命じる。
2015年9月 『ユリイカ』(青土社)が「男の娘」を特集。
2015年11月 【経産省トイレ問題】経済産業省職員のTrans-woman(戸籍上は男性)が女性トイレの使用を制限されたことを不当として提訴(現在、係争中)。
2015年12月 【フィットネスクラブ問題】 京都市のTrans-woman(戸籍上は男性)がフィットネスクラブで男性用施設の使用を求められたことについて、人格権の侵害として運営元のコナミスポーツクラブを提訴。
2016年1月 国際オリンピック委員会(IOC)がトランスジェンダーの選手について新基準を策定。性別適合手術を出場要件から外す。
2016年4月 文部科学省「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」のQ&A。
2017年 「高額セミナー」などTrans-manのダークビジネスが問題化。
2017年2月 映画「彼らが本気で編むときは、」(荻上直子監督)が公開。男優の生田斗真がTrans-womanを演じる。
2017年3月 Trans-manの細田智也が埼玉県入間市議会議員に当選(Trans-manでは世界初の議員)。
2017年4月 佐々木掌子『トランスジェンダーの心理学―多様な性同一性の発達メカニズムと形成』(晃洋書房)刊行。
2017年6月 服藤早苗・新實五穂編『歴史のなかの異性装』(勉誠出版)刊行。
2017年6月 康純『性別に違和感がある子どもたち』(合同出版)刊行。
2017年9月 Trans-womanの保坂いづみが北海道根室市議会議員に当選。
2017年11月 長島淳子『江戸の異性装者たち―セクシュアルマイノリティの理解のために―』(勉誠出版)刊行。
2018年1月 NHK総合ドラマ「女子的生活」放送。男優の志尊淳がTrans-womanを演じ、Trans-womanの西原さつきが演技指導・出演。
2018年3月 GID学会第20回記念大会(東京・御茶ノ水)。
2018年4月 性別適合手術に健康保険適用。
2018年4月 東京の私立大学がTrans-womanを専任講師に任用。
2018年6月 岡部玲『総務部長はトランスジェンダー』(文藝春秋)刊行。
2018年6月 世界保健機構(WHO)の「国際疾病分類」の改訂(ICD-11)で、「性同一性障害」の消滅と性別移行の脱精神疾患化が決定。
2018年7月 お茶の水女子大学がTrans-womanの受験生の受け入れ表明(2020年から)。 
2018年9月 GID学会が矯正施設(刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所、婦人補導院)に収容されている性同一性障害の受刑者や被告に適切な医療措置(ホルモン投与など)の改善を求める要望書を法務省に提出。
2018年7月 遠藤まめた『オレは絶対にワタシじゃない』(はるか書房)刊行。
2018年10月 Trans-womanで日本テレビ社員の谷生俊美が日本テレビ系「ニュースZERO」のコメンテーターに起用される。
2019年1月 「GID特例法」「現時点では合憲」判断。 
2019年1月 Trans-womanの赤坂マリアが京都府亀岡市議会議員に当選。
2019年2月 和田耕治・深町公美子『ペニスカッター―性同一性障害を救った医師の物語―』(方丈社)刊行。

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松永瞳

三橋さんお疲れ様でした。資料として早速リンクさせて頂きます。お互い立場や環境考え方で相違はありますがこの点はゆっくり話させていただきますね。ゆっくり体調回復されてください。
by 松永瞳 (2019-02-23 07:06) 

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