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シャーマンを治療していいのか?問題 [お仕事(講義・講演)]

6月20日(木)

今日の「精神看護学Ⅱ」のゲスト講義の1コマ目「非典型な『性』の病理化と脱病理化」では、なにが精神疾患で、なにが精神疾患ではないかという線引きは、けっこうあいまいで、しばしば線引きは変わるという話をしてきた。
これは、群馬大学医学部「医療倫理」の講義で話している内容とほぼ同じ。

それと、精神疾患であっても、必ずしも治療しない方がいい例もあるのではないか?という話もした。

例として、神様が見える、神様の声(お告げ)が聞こえるという人は、しばしばシャーマン(神と人との仲介者)という職能をになう。

いない人が見える、いない人の声が聞こえるというのは、幻視・幻聴であって、そうした症状がしばしばあるということは、統合失調症の可能性がある。

で、精神科医が統合失調症の診断をしたとして、治療していいのか?

効果的な薬を投与した結果、幻視・幻聴の症状が消えたら、その人はシャーマンとしての職能を失ってしまう可能性が高く、QOLの低下につながってしまいかねない。

また、そのシャーマンのお告げを、生活の拠りどころにしていた人々も拠りどころを失ってしまう。

それでいいのだろうか?という話。

この話、女性シャーマン(ユタ)が現代でも社会的に機能している沖縄の精神科医の先生に「三橋さん、どう思う?」と意見を求められたことがある。

考えた末に「やっぱり、治療しない方がいいんじゃないですか」という返事をしたが、けっこう難しい問題。

看護師の卵の学生さんに通じたかな?

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コメント 1

みれい

こんばんは。
仕事や生活に支障が出れば病気や障害という判断基準(閾値)があれば、こういうケースは疾患という事にならないのかも知れません。
三橋さんが書かれているように、薬物治療を受けたらむしろ仕事に支障が出かねません。
幻覚と現実の区別がつかないのではなく、‘お告げ’という形で現実の中に落とし込む事も出来るのですから。

一方、脱病理化で性と精神医療が縁遠くなったら、性同一性障害とは診断されない代わりに統合失調症と診断されてしまう人も出て来たりして。
by みれい (2019-06-23 22:02) 

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