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日本におけるLGBTの歴史地理的研究 [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

12月25日(日)

友人の東優子さんが「いいね」をしている早乙女成妃子さんという方のFace BooKの投稿で知ったのだが、アメリカには「LGBTQにとって歴史的な場所を表示した地図(Places with LGBTQ Heritage)」があるそうな。

https://www.google.com/maps/@41.6232728,-112.8587991,3z/data=!3m1!4b1!4m2!6m1!1szUo4VdCIQUrM.kpjJD0fu37MU

で、「日本版はどんな感じになるやろ」というお尋ねなのだが、たぶんそういう試み(発想)は全然ないと思う。

この手の地図を作るには「歴史地理」研究の成果がベースになるのだが、Tについては私がかなりやっている(つもり)。
論文としては「戦後東京における『男色文化』の歴史地理的変遷 ―「盛り場」の片隅で―」(『現代風俗学研究』12号 現代風俗研究会 東京の会 2006年3月 P1~15)を10年前に出している。
個別的には、東京における最初の女装バー「湯島」や、新宿女装コミュニティの発祥の地「ふき(梢)」の場所は、正確に把握している。

Lについては、「つっちー」(土屋ゆき)さんに聞けば、新宿二丁目の最初のレズビアンバーの場所はわかると思う。
でも、学術的な研究はない。

問題はGで、そういう関心をもって研究している人が意外と少ない。
古くは伏見憲明さんの「ゲイの考古学」があるが、最近ではやはり石田仁さんの一連の研究だろう。ただ石田さんの歴史地理研究は「ハッテン場」が中心なので、「お店(飲み屋)」はやや手薄な気がする。

東京最初のゲイバー「やなぎ」の正確な場所は、今年、私が突き止めた。
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2016-06-26-1
新宿の初期のゲイバー「夜曲」「イプセン」「アドニス」「ぼんち」、あるいは「千鳥街」にあった2,3のゲイバーなどの正確な場所もわかっている。
でも、1950年代に浅草などにたくさんあった初期ゲイバーのほとんどは、正確な場所が不明なままだ。

もう少し調べてみてもいいが、なかなかそういう気にならないのは、現代のゲイの方が歴史的なことにほとんど関心がないことも影響している。
早い話、需要がないのだ。
「へ~ぇ、そうなんだ!」と喜んでくれる人がいたら、調べる気にもなるのだが・・・。

私は自分が所属するカテゴリーの歴史を知ることは、アイデンティティの根元につながることだと考えるが、それはもう古い考え方なのだろう。