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「レンコン」、1970年代後半まで伝承 [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

9月10日(月)

昨日、63歳のニューハーフさんにお話をうかがって、驚いたことは、「レンコン」の実践者・伝承者だったこと。

「レンコン」は、少なくとも昭和戦前期から戦後期まで、女装男娼の間に伝承されてきた性的技巧で、潤滑液をつけ手筒の形にした片手を背中から股間に回し、そこに男性客のペニスを誘導して、女性の膣と錯覚させる高度の「詐交」技術。

ほとんどの場合、男性は相手が女性だと思って射精し、Sexを終える。
女装男娼は、男性と気づかれることなく、かつ脆弱な肛門粘膜を痛めることなく、効率よくセックスワークができる。

今まで、「レンコン」の使用は1960年代前半まで確認できていたが、1970年代後半まで使用されていたことがわかった。
お話をうかがった方は、もしかすると最後の伝承者かもしれない。




なお、「レンコン」について詳しく知りたい方は、下記を参照ください。

三橋順子「レンコン」

 (『性の用語集』 講談社現代新書、2004年12月、 P350~356)

三橋順子「女装男娼のテクニックとセクシュアリティ」

(井上章一編著『性欲の文化史 1』講談社選書メチエ、2008年10月、P127~161)



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1980年代~90年代初頭のニューハーフ世界のお話をうかがう [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

9月9日(日)

16時、新宿二丁目のゲイブック・カフェ「オカマルト」へ。

1980年代、六本木を中心にショービジネスの世界で活躍されたニューハーフの方(Mさん、1954年生)に、たくさんの資料・写真を見せていただく。

トランスジェンダー関係の歴史資料のうち、ショービジネス関連は蓄積が薄く、しかも実際にその世界を体験された方による「語り」付きの生資料で、とても貴重。

まずは資料保全(複写、電子データ化)、整理(写真の年代、撮影事情のキャプション化)。
次に、Mさんのライフヒストリーをうかがってまとめる。

それを突き合せれば、1980年代の東京六本木のニューハーフ・ショービジネス世界と、そこに生きた1人のニューハーフさんの「生と性」が浮かび上がると思う。

「次の時代に伝えて」と持ち込まれたわけで、その希望に応えるよう尽力するのが研究者の責務。

1980年代~90年代初頭のニューハーフ世界のお話をうかがう。

200万円のドレス(舞台衣装)、一流写真館での撮影、日ごろの洋服はさまざまなブランドもの、有名人との交際、パリのショービジネス界を訪問、膨大な数の男性経験(セックスワークで3000人、プライベートで3000人、合計6000人とのこと)……なんとも華やかで、景気の良い話が続く。

その一方で、写真に映っている同僚・先輩ニューハーフについて、「この人は亡くなった」という話が実に多い。

現在63歳の方だから、(ママクラスは除き)先輩と言っても存命なら60代後半~70代のはず。
それで、半分近くが亡くなっている印象。
明らかに短命だと思う。
「(過剰な)女性ホルモン(投与)とお酒で、肝臓をやられちゃう人が多い」とのこと。

さらに、自殺が多い。
全部で30人ほどの人について語っているのに、「自殺しちゃって」という話が何度も出てくる。
亡くなった方の10人に1人(100人で10人)くらいは自殺している印象。

世界保健機関(WHO)の2015年度の統計では、日本の自殺率は人口10万人あたり19.7人(100人あたり約0.02人)。
単純計算で500倍くらい自殺率が高いことになる。

まあ、数字はごくごく概算だが、ニューハーフさんの自殺がとても多い傾向が、ある程度、浮かんでくると思う。

華やかな世界だったからこそ、闇も深いということか。

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新宿二丁目のゲイブック・カフェ「オカマルト」へ [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

9月9日(日)

一昨日、自著を著者校了にして、昨日、新宿区の講演を終えて、さすがに気が抜けたというか心身の疲労蓄積を感じて、今日は涼しくした部屋で、一日ぐーたらしてようと思ったら、二丁目から呼び出し。

仕方ないから、これから出かける。
世の中、なんて人使いが荒いのだ、私、63歳なんだぞ。

などと、ブツブツ言いながら、16時、新宿二丁目のゲイブック・カフェ「オカマルト」へ。
IMG_3922.JPGIMG_3921.JPG
で、1980年代、六本木で活躍されたニューハーフの方に、とても貴重な資料・写真を見せていただき、いろいろお話をうかがう(詳細別記)。

お蔭様で良い出会いだった。
頑張って行ったかいがあった。
声を掛けてくださった畑野とまとさん、ありがとうございました。

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