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新宿二丁目「Goldfinger」が問題になった表記を撤回ー「Goldfinger」問題(3)ー [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

5月30日(木)

新宿二丁目「Goldfinger」が問題になった表記を撤回した。

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(上:問題になった表記)「過去の事例と日本での状況を踏まえてイベントに入場頂けるのはシスジェンダーの方(生まれも性自認も女性)とさせて頂いております。」
(下:変更された表記)「当イベントの雰囲気にそぐわない方の御入場をお断りさせて頂く場合がございます。」

取りあえずよかった。
LGBTの連帯を示すレインボーフラッグのもとで、トランスジェンダー女性の排除が公然化されるのは、トランスジェンダーとしては容認できないわけで、表記を取り下げてくれれば、また話はできる。

神宮前にあった「irodori」とか、今の「オカマルト」や「新宿ダイアログ」みたいに、いろいろなセクシュアル・オリエンテーションやジェンダー・アイデンティテイの人がいて、トランス女性がその中にいても、何らプレッシャー(排除圧)を感じない店は現にある。

そういう形態・雰囲気の店をこれからどれだけ増やしていくかが大事なことだと思う。

旧態依然で、国際基準から外れたトランスジェンダー排除的な店は、長い目で見て淘汰され、消えていくと思う。

あと、GFのトランス女性排除を擁護する人の中には、トランス女性は、レズビアン系から排除されると行き場がないから必死・・みたいなこと言ってるいる人が、けっこういるようだけど、それ事実じゃないから。

トランス女性は、一般のレストランや居酒屋を利用するし、そういう店から排除されることもない。

もともと「二丁目」なんていう狭い世界の住人じゃあないし、そこにこだわりもない。
わざわざ居心地の悪い場所に行かなくても、世界は広い。

それに、レズビアン系の店より、広い世間の方が、ずっと素敵な女性に出会える確率は高い。

ただ、トランス女性排除を公然化するのだけは止めてくれ、という話。

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李琴峰「同じ船に乗って、同じ虹のもとへ」 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

5月30日(木)
李琴峰さんの「ゴールドフィンガー問題」への見解。
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「それでも線引きしなければならないのだから、みんなはまさに「試行錯誤」をしながら、自分なりの「線引き」を試みてきました。その「線」が時にはこちら側に寄りすぎたり、あちら側に寄りすぎたりしますが、基本的に「点線」で、それもある程度フレキシブルなものでした。

しかしGoldfingerさんはその「点線」を「実線」に取り替えた上で、最も多くの人を「あちら側」に排除する場所に、その線を引きました。いや、線を引いただけではなく、鋭い刺を帯びる有刺鉄線を厳重に張り巡らしました。その有刺鉄線に、電流まで流して。
https://note.mu/li_kotomi/n/n397b5b7ba529
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「『点線』を『実線』に取り替えた」という表現は、私が指摘している、(差別的ではあるが)暗黙の慣習だったものを、文字によって公然化したことの問題性を巧みに表現している。
まさにそこにこそ、今回の件の差別性の本質がある。

李さんの文章の題名「同じ船に乗って、同じ虹のもとへ」は、言うまでもなく、牧村朝子さんの文章「それぞれの船で向かう途中」(https://note.mu/yurikure/n/n0eaf02c0470a)を踏まえている。

二つの文章の差別への認識のなんと対照的なことだろう。

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5月29日(水)日本共産党本部に出向く [お仕事(出演・取材協力)]

5月29日(水)

14時半、千駄ヶ谷の日本共産党本部に出向いて、「しんぶん赤旗」の取材を受ける。
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テーマは「Twitterにおけるトランスジェンダー排除言説」について。
記者さん2人、政策委員の方と2時間半ほどお話しする。

実は執筆依頼だったのだが、(支持政党以外の)政党機関誌には執筆しないポリシーなので、お断りして、取材を受ける形にしていただいた。

政治とは意識して距離を置いてきたので(選挙予想は趣味だけど)、共産党にかぎらず、政党本部を訪ねるのは初めてで、ちょっと土器土器。

そのうち『赤旗』に記事が載るだろう。

反「LGBT活動家」活動家の人たち(元参議院議員とか元編集長とか)が「やっぱり左翼だ!」と喜ぶだろうけど、ちゃんとした取材依頼なら「世界日報」でも断らない。
(というか、実際に取材を受けたことある。ボロクソ書かれたけど)

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新宿二丁目「Goldfinger」問題(2) [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

5月28日(火)

新宿二丁目「ゴールドフィンガー」問題。
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トランス女性排除は日本のレズビアン業界の古くからの慣習で、私のように、それをよく知っている者は、そうした慣習を是認しないまでも、あえて事を荒立てるようなことはしなかった。
レズビアンのイベントに行こうとも思わないし、別の世界のことという感覚。

今回のトラブルが今までと違うのは、「WOMEN ONLY」のイベントの入場を断られた告発者(トランス女性)が外国の方ということ。
欧米のレズビアン系イベントは、ほとんどの場合トランス女性OK。
セックスパーティでない限り、多くの場合、男性パートナーも入れる。
そうした世界の人からすると、日本のレズビアン業界の慣習が差別的と映るのは無理もない。

さらに、告発されたトランス女性(外国籍)の方は、自国で性別(ID)を女性に変更されている、法身分的には女性の方。
欧米では法身分的な女性を、女性扱いしないことは、まず許されない。
そこらへんの感覚も、日本のレズビアン業界とはかなり違う。

ということで、とても厄介な状況。
正直、「落しどころ」が見つからない。
外国の活動家の方は理詰めで戦略的だから、「ここは私の顔を立てて、なんとか鉾を収めてください」のような日本的な「解決」方法も難しい。

背景として「二丁目」の国際化という問題がある。
2020東京オリ・パラを控えて、外国人のお客さんが増えてくると、日本のレズビアン/ゲイ業界独自の「慣習」と欧米の「常識」のズレがいろいろ顕在化してくる。
今回のGFの件は、まさにその典型的な事例。

早い話、「パンドラの箱」が開いてしまった感じ。
今までは「見て見ぬふり」だったが、あれだけはっきりトランス女性排除が打ち出されると、もう「見て見ぬふり」はできなくなる。
最低限「シスジェンダーの方(生まれも性自認も女性)」という表示は撤回してもらわないと、どうにもならない。

その上で、どういう客を入れるかは、店主(イベント主催者)にある程度の裁量権があるわけで、お客さんの安全(セキュリティー)を最優先に掲げて、個別判断をしていくしかないと思う。

つまり、カテゴリーで客を切り分けるのではなく、セキュリティーで切り分けるということ。
「当イベントでは、お客様の安全を最優先に考え、主催者の判断で入場をお断りすることがあります」と掲示する。
ここらへんが「落としどころ」なのではないだろうか。

もう一つの問題はTRP(東京レインボープライド)との関係。
トランス女性排除を公然化した店(団体)が、LGBTの連帯をうたうTRPに参加してレインボーフラッグを振る状況を、トランスジェンダーとして容認できるかと問われれば、当然「容認できない」と答えざるを得ない。

それは、私だけではないと思う。
それを許せば、TRPそのものの存在意義が問われることになる。

言うまでもなく、レインボーフラッグは「LGBTの連帯」の象徴だ。
レインボーフラッグのもとに、あからさまなトランスジェンダー排除をする店の参加を認めれば、レインボーフラッグは「LGBTの連帯(トランス女性は除く)」の象徴になってしまう。

それでいいのか?ということ。

だからこそ、なんとか折り合って解決してほしいと思う。
TRPは傍観していないで、積極的に調停に乗り出すべきだ。

今回のGFの件、TとLの住み分けをしてきた私のような旧世代は「困惑」という感じが強い。
一方、「LGBTの連帯」を文字通りに受け止めて来た若い世代(トランスもレズビアンも)の「怒り」が強いように観察される。
そして、彼女/彼らこそがTRPの実働部隊の一翼を担ってきたわけで、このままでは影響は大きいと思う。


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5月28日(火)明治大学文学部「ジェンダー論」第6講「L/G/B/Tとは何か ―性的マイノリティをめぐる諸問題―」 [お仕事(講義・講演)]

5月28日(火) 曇りときどき雨  東京  28.1度  湿度57%(15時)

9時、起床。
朝食はアップルパイとコーヒー。
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シャワーを浴びて、髪にあんこを入れて頭頂部で結んで、シュシュを巻く。
化粧と身支度。
黒地に茶と白の花柄のロングチュニック(3分袖)、黒のレギンス(5分)、黒のサンダル、ベージュのバッグ。

11時、家を出る。
東急東横線から都営地下鉄三田線に入り、神保町駅で下車。
今日は1本早い電車に乗れたので、靖国通り沿いの「ドトール」で昼食を済ます。
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12時25分、小雨の中、明治大学(駿河台)に到着。
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レジュメは420部印刷。
例によって講義開始30分前に教室に行き、レジュメを設置。
文学部事務室で履修名簿をもらう。
教室に行く前に、文学部事務室で履修名簿を印刷してもらう。
ちょっとした厚さの紙束(19枚)を渡される。

履修登録者なんと464人

若い事務員さん(女性)に「たいへんですね」と同情される。

だから、レジュメを430部印刷しても、なくなってしまうのだ。
明治大学(駿河台校舎)で最大の収容力をもつ「リバティホール」(1013番教室)の定員は480名。
もしも、履修登録者が全員が来たら、ほんとうにギチギチ状態になるということ(まあ、来ないけど)。

13時30分、講義開始。
コメント票の質問に答える。
続いて、少し残っている第5講「『性』の多層構造論 ―『性』を模式図で考えてみる―」を解説。

1 「性」の4要素を組み合わせると・・・。
 (1) 16パターンの「性」
 (2) 「性」の多様性
2 「性」を多層構造で考える
 (1) 多数派の男性/女性
 (2) 同性愛の男性/女性
 (3) トランスジェンダー(TG)
----------------(ここから)-----------------
3 「性同一性障害」がなくなった
 (1)性別違和感(Gender Dysphoria=GD)とは?
 (2)性同一性障害(Gender Identity Disorder=GID)とは?
 (3)性別移行の「脱精神疾患化」

WHO総会(スイス・ジュネーブ)でのICD-11正式採択を受けて、受講生が見ている前で、パワーポイントの記述を「性同一性障害がなくなる」から「性同一性障害がなくなった」に書き直す。
過去形で講義できる日がようやく来たこと、実に感慨無量。

残り65分で、第6講「L/G/B/Tとは何か ―性的マイノリティをめぐる諸問題―」に入る。

1 L/G/B/Tとは?
 (1)言葉の意味
 (2)言葉の歴史
 (3)言葉の問題性
 (4)「SOGI」(ソジ)もしくは「SOGIE」(ソジィ)
 (5)「13人に1人」は眉唾? ―数的把握の困難―
2 同性愛者(L/G)にとっての諸問題
 (1)同性パートナーシップとは?
----------------(ここまで)-----------------
 (2)同性婚とは?
 (3)同性愛者が「子どもを育てる」こと
 (4)貧富の差の拡大(階層分化)と老後問題 
3 バイセクシュアル(B)にとっての諸問題
 (1)Bの不在
 (2)B研究の遅れ
4 トランスジェンダー(T)にとっての諸問題
 (1)Tの意味
 (2)性別移行と生殖権
 (3)就労差別
 (4)Trans-manのダークビジネス問題
5 「Xジェンダー」について

ついいろいろしゃべってしまい、また大量に積み残し
来週、頑張ろう!

15時10分、終了。
佐々木掌子先生のアンケート調査、7通、追加回収。

講師控え室に戻り、残りレジュメとコメント票の整理。
今日の受講生は、通常モードで370~380名かな。
16時30分、辞去。
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駿河台下の「丸亀製麺」へ。
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↑ かけ(並)+鶏天+れんこん天=650円
「うどん札」3枚で、温泉玉子。

すずらん通りの「サンマルクカフェ」で、ぐったりしていたら、S君から電話。
20数分ほどアドバイス。
さらに疲れる。

18時、神保町駅から都営地下鉄三田線に乗り、東急目黒線に入る。
大岡山駅の次がなぜか日吉駅だった。
電車がワープ?
(続く)

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川崎市多摩区登戸で大勢の人が刺される [事件・事故]

5月28日(火)

【速報】
7時45分頃、川崎市多摩区登戸の路上で、大勢の人が刺される事件が発生。

私立カリタス小学校のスクールバスを待っていた人たち(多数の小学1年生の女の子を含む)を2本の包丁を持った40~50代の男が襲撃し、次々に刺す。

無差別殺傷事件の可能性大。

被害にあったのは大人3人、子供13人の計16人?
大人と小学生、各1人が心肺停止状態。

犯人の男も自分で首を切り意識不明状態。

【続報(28日夜)】
刺された小学6年生の女児と外務省職員の男性が死亡。
犯人の男(51歳)も死亡。

【続報(30日朝)】
当初、「たまたま」子供たちがそこにいて被害に遭ってしまった「通り魔」的な犯罪かと思われたが、どうもそうではなさそうだ。
犯人は「わざわざ」電車に乗ってやってきて、子供たちが集まる時間を狙った「計画」的な犯罪のようだ。
カリタス学園への理不尽な遺恨が背景にあるという説も。
ますますもって、ひどい事件だ。

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5月27日(月)『毎日新聞』の取材を受ける [お仕事(出演・取材協力)]

5月27日(月)

10時、起床。
朝食は、アマンドショコラとコーヒー。
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12時過ぎ、化粧と身支度。
水色の地に大輪の白百合の綿絽(紫織庵)。
薄いクリーム色の吸い上げ暈しの麻の半襟を付けた半襦袢。
帯は赤黒の半幅帯を独鈷結びにして、草色の夏の帯締を掛ける。

14時40分、家を出る。
暑い! まるで真夏。

15時30分、新宿三丁目駅に到着。
遅い昼食は「丸亀製麺」。
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かけ(並・冷)+鶏天+アスパラカス天(600円)

16時、(旧)新宿遊廓・大門通り脇の喫茶店「珈琲貴族エジンバラ」で、『毎日新聞』の記者さんと面談。
拙著『新宿「性なる街」の歴史地理』(朝日選書)を紙面で紹介してくださるとのこと。
1時間半ほど、お話し。

その後、新宿二丁目に移動。
「新千鳥街」で撮影。
17時45分、辞去。

ここまで来て素通りはできないので「オカマルト」に寄る。
45分ほど滞在。
18時35分、辞去。

19時20分、自宅最寄り駅へ。
夕食は、家族を呼び出して駅前の回転寿司。
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↑ 一本穴子(550円)
家猫さんんと半分こ。
高いけどおいしかった。

21時、帰宅。
今日は、右足が少し痛かった。


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戸籍の性別変更数、初めて減少に転じる [現代の性(性別越境・性別移行)]

5月27日(月)

2004年の「GID特例法」施行以降、一貫して増加を続けていた戸籍の性別変更数が初めて減少に転じた。

2015年 855人
2016年 885人
2017年 903人
2018年 867人

前年比マイナス36人(-4%)とかなりの減少。

針間克己先生によると、戸籍変更者の最多年齢層である20-24歳の人口が減少していることが第一の原因。
また、LGBTブームで、戸籍の性別を変更しない、トランスジェンダー的な生き方を選択する人が増えたことも。

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【針間克己先生が最高裁判所に問い合わせ】

平成30年(2018年)性別の取扱いの変更申立事件数速報値

平成30年1月1日〜平成30年12月31日
新受 860

既済 877
認容 867
却下  -
取下げ 7
その他 3

未済 58
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5月26日(日)5月なのに32.6度  [日常]

5月26日(日) 晴れ時々曇り  東京  32.6度  湿度34%(15時)

朝食は、家猫さんが買ってくれた、ちょっと高級なシュークリーム。
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おいしい!

昼食は、冷やし月見うどん。
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火曜日の講義の準備。

東京の最高気温32.6度、これで3日連続の真夏日。
まだ5月なのに

夕食は、お刺身(かんぱち、かつお)。
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お豆腐。
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就寝、3時。

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性別移行の脱精神疾患化をめぐる諸論点 [現代の性(性別越境・性別移行)]

5月26日(日)

【単なる病名変更ではない】
今回のICDの改訂は、たんなるGender Identity Disorder(性同一性障害)からGender Incongruence(性別不合)という病名の変更ではない。

そもそもICDでは、性同一性障害は病名(疾患名)でなかったし、診断基準も変わる。

今回の改訂のポイントは、従来、精神疾患(Disorders of adult personality and behaviour)に位置付けられていた性別の移行を望むことが「Conditions related to sexual health (性の健康に関連する状態)」というカテゴリー(疾患と非疾患の中間の位置づけ)になったということ(脱精神疾患化)。
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【パラダイム転換】
今回のICDの大改訂で、今まで精神疾患だったフェティシズム(物に対する性的嗜好)やマゾヒズム(被虐性愛)なども脱病理化。

19世紀以来、「病理(精神病)」とされてきた様々な非典型の性の在り様が、20世紀後半以降、次々に脱病理化(同性愛は1990年に脱病理化)していくパラダイム転換の最終段階。

もう少し、近い視点で言えば、性別移行の脱精神疾患化は、世界的な医療福祉システムから人権尊重(医療サービスを受けることを含む)システムへというパラダイム転換を踏まえてのこと。

医療福祉システムの中で生きて来た日本の「性同一性障害者」が戸惑うのもわからなくないが、日本政府も賛成したWHOの決定なので、それを踏まえて、性別移行を望む多くの当事者にとって、より良いシステムを再構築していくしかないと思う。

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【移行措置】
今回のICDの改訂で、精神疾患としてのGender Identity Disorder(性同一性障害)という概念は完全に消滅するが、実質的な後継概念はGender Incongruence(性別不合)になる。

両者は疾病リスト上の位置づけが大きく異なり、診断基準も違うので別のものだが、現実的な問題として「性同一性障害」の診断書が無効化され、「性別不合」の診断基準に基づいて診断書を取り直すというのは、当事者の負担があまりに大きい。
これは私見だが、移行(読み替え)措置が取られると思う。

性別適合手術への健康保険適用も、「性同一性障害」の治療に対するものなので、論理的には別の概念である「性別不合」には適用されないはずだが、これも移行(読み替え)措置が取られると思う(私見)。
まあ、現状でも性別適合手術への保険適用は「混合診療」の問題で事例がきわめて少ないのだが。

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【次の焦点はDSM】
今回のICD(国際疾病分類)の大改訂で、性別の移行を望むことが精神疾患から外れたことで、次の注目は、2013年の改訂後、「Gender Dysphoria(性別違和)」の病名で精神疾患としているアメリカ精神医学会の「精神疾患の分類と診断の手引」(DSM-5)がどうなるか?

アメリカ精神医学会は、ICD準拠を基本にしているので、近い将来の小改訂で「Gender Dysphoria(性別違和)」を外すことも考えられる。
一方で、アメリカは精神科医の権益確保(パイは小さくしない)という意識も強いので、微妙。

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【性別不合の診断】
今回のICDの大改訂で「性同一性障害」の消滅が確定し、2022年以降は「性別不合」の診断になるわけだが、診断基準を見る限り、「性別不合」の診断は身体違和を重視するので「性同一性障害」の診断より厳しくなると思われる(専門医に聞いた)。

身体違和の少ないXジェンダー系の人は、「性別不合」の診断書をもらうのはかなり難しくなるかも。

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【子どもの性別不合問題】
WHO(世界保健機構)のICDの大改訂、いろいろな専門委員会が議論して改訂案を作成するわけだが、性別移行の脱精神疾患化については、大きな異論はなく、2015年くらいには、ほぼ方針が決まっていた(と聞く)。

最後まで意見が対立したのは、子ども(思春期以前)の性別違和の扱い。
精神疾患ではない形でリストに残すか、脱病理化してリストから削るか、専門委員の意見が真っ二つで(7対7と聞いた)、なかなか改訂案がまとまらなかった。。

結局、今回の改訂では、「子どもの性別不合」という形で、リストに残る形になったが、この点は、今後の課題になるだろう。

一方は、性別違和をもつ子どもの福祉のために、診断の根拠を残すべきだという考え方。
もう一方は、そもそも子供の性別違和は不確定的で診断がつけられない、診断できたとしてもなんら治療はできないわけで、「病理」として残す意味がないという考え方。

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【医療福祉から人権尊重へ】
大学生が望みの性別で学生生活を送りたいと希望したときに、学生課が、

「性同一性障害の診断書を提出してください」と言うのが医療福祉システム。
「わかりました。診断書の提出は不要です」と言うのが人権尊重システム。

私は後者を支持するし、及ばずながらそれを推進してきた。
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